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捨てられた食料に群がる人々=水害被災地の窮状物語る

 週末の雨で家を失い、家財道具なども使い物にならなくなった人が続出しているペルナンブコ州南部のパウマーレス市で5月29日、水が引き始めたからと店内の整理を始めたスーパーが、水に浸かった食料品を捨てたところ、それを見た人々が我先にと群がった様子が報道された。
 パウマーレスは、洪水などの被害に遭い、非常事態宣言を行った町のひとつだ。
 実を言うと、スーパーが捨てた食料品を人々が争うように取り合う光景は、2010年の大洪水の時にも起きている。その時も、泥や水の中に投げ捨てられたフェイジョンや米、スパゲッティ、ミルクなどを住民が奪い合う光景が見られた。
 サント・アントニオ区は、幅約15メートルの橋が落ちた事もあり、完全に孤立している。パウマーレスのアウタイル・ジュニオル市長が同州のパウロ・カマラ知事に出した要請書には、橋の修復費も入っている。
 同市長によると、市には橋を修復する費用を払う財力はなく、州の助けが不可欠だという。当面は木の橋をかけ、支援物資などを送る必要もあるが、現在は市民が必要としている品が何かを調べている段階だという。
 同州内陸部にあり、5月29日までに川の増水などで非常事態を宣言した23市では、29日夜の時点で、家を失って避難所生活を余儀なくされている人が2656人、浸水などで当面は家を離れている人が4万2145人(計4万4801人)と発表された。30日朝の時点でも、約3万人が同様の状況に置かれている。
 北東部のペルナンブコ州とアラゴアス州では、土砂崩れなどで少なくとも10人が死亡し、避難所や親族などの家に身を寄せている人も増え続けている。両州では洪水や土砂崩れなどで給水システムにも問題が起きており、食料や水、衛生用品その他の具体的な支援を必要としている。(30日、31日付G1サイトより)