連邦検察庁特捜局(PGR)と、J&Fホールディングス(巨大な汚職計画や食肉偽造への関与が疑われているJBS社を保有する持ち株会社。以下J&F)は、課徴金減免制度(leniência、企業版の司法取引)交渉の末、今後25年間で103億レアルの罰金を支払うことで合意したと5月31日付現地紙・サイトが報じた。
これは、課徴金減免制度の罰金額として世界最大だ。インフレ調整などの補正がかかると、J&Fが25年間で払う罰金は200億レアル近くに達する。また、社主であるジョエズレイとウェスレイのバチスタ兄弟が行った報奨付供述とは関係ない。
今回の合意には、食肉偽造疑惑(カルネ・フラッカ作戦)、BNDESからの不正融資を受け取った疑惑(ブリッシュ作戦)の他、セプシス作戦、グリーンフィールド作戦、クイ・ボーノ作戦に関連した疑惑が全て含まれている。
罰金103億レアルの内、80億レアルが、公的年金ファンド、社会経済開発銀行(BNDES)、国庫、勤続期間保障基金(FGTS)、連邦貯蓄銀行(CAIXA)に入り、残りの23億レアルは、教育、医療、汚職防止などの公共プロジェクトへの出資の形をとって支払われる。
支払いは今年の12月から始まる。支払い総額は、2016年にJ&Fが記録した非課税売上高の5・62%に当たる。
J&F社が支払う103億レアルは、オデブレヒト社(32億8千万レアル)、ブラスケン社(31億レアル)、アンドラーデ・グチエリス社(10億レアル)、カマルゴ・コレア社(7億レアル)各社の支払い総額よりも大きい。
課徴金減免制度実施のための交渉は、今年2月から始まっていたが、5月にJ&F側が、検察が出した「10年かけて111億6900万レアルを支払う」との条件を拒否し、罰金は14億レアルだと主張したため、物別れに終わっていた。検察が5月22日に109億レアルの罰金を再提示し、交渉が再開していた。
課徴金減免制度とは、犯罪関与を認めた企業が捜査への協力を約束し、罰金を払うことで減刑を得るものだ。反汚職法には、罰金は、その企業の売上高の0・1~20%に定められると規定されている。