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文協文化祭り=8日間で1万1150人来場=初の着物ショーも開催=神秘的な花嫁衣裳も披露

花嫁衣裳にうっとりする来場者

花嫁衣裳にうっとりする来場者

 ブラジル日本文化福祉協会(呉屋春美会長)が20~28日の8日間、『第11回文化祭り』を開催し、1万1500人(文協発表)が文協ビル、イビラプエラ公園内の日本館に訪れ日本文化を楽しんだ。なかでも24日午後7時半からは初めての『着物ショー』が文協ビル多目的ホールで行われ、有料(50、200レアル)にも関わらず約300人が来場し、日本の伝統衣装にうっとりした。

 着物ショー会場には、入り口付近から舞台まで花道が作られた。相良クリスチーナさんの司会により、水色の法被を着て鉢巻を締めた日舞池芝流の3人が入場。鳴る子を音楽に合わせ振って踊りながらの登場に、会場の注目が集まった。
 次は、七五三の衣装を着た4人の子どもと色留袖の裏千家の会員だ。頭に花飾り、手に千歳飴や破魔矢を持った子どもたちに、会場の女性はため息とともに「かわいい~」と感嘆した。
 花魁衣装の藤間流会員は従者2人とともに登場し、迫力の花魁道中をみせた。花魁の黒地の踊り衣装には金や白などの花が刺繍され、赤と白の鶴が飛ぶ豪華なものだった。大きな長柄傘の下、八の字歩きでゆっくりと舞台を歩き、艶やかな着物を見せ付けた。

花魁の踊りの衣装

花魁の踊りの衣装

 会場の女性を虜にしたのは花嫁衣装だ。一番手の花嫁は白いレースを被り、神秘的な装い。次の花嫁は赤地に鶴が飛ぶ打ち掛け。右隣に婿衣装の男性が寄り添った。
 フィナーレでは舞台に全ての衣装を着た人々が並び、大きな拍手が上がった。呉屋会長は準備をした役員に労いの言葉を述べ、「今回のショーは極めて貴重なイベント」と継続を示唆した。
 中前隆博在聖総領事は「日系社会の人々が日本人の心意気を存分に発揮した」と賞賛し「ビバ、サウージ、乾杯!」と乾杯の音頭をとった。来場客は小池信シェフの日本料理に舌鼓を打ち和やかな歓談の場となった。
 来場者のブラジル人のエステーラ・センラさん(74)は、シネ・ニテロイで観た小津安二郎監督の映画に影響を受け、家族も皆着物ファン。「家にいるときのほとんどの時間を日本の服を着て過ごす」と明かし、「花嫁衣裳が本当に素敵だった。たくさんの着物を見られて満足」と微笑んだ。
 20~25日は日本館内で折り紙や茶道などワークショップが行われ、来場客は日本文化に手を触れ楽しんだ。27、28日は文協ビルで開催され、大講堂のサロンでは大人気の生け花の展示も。タニザカ・イザベルさん(二世、69)は「綺麗なものを見るのが大好き。ハッと目覚めるような素敵な作品ばかり」と語った。
 ビル内では豆つかみや絵手紙など様々なワークショップが行われたほか、日本食の食事スペースも大いに賑わった。「年を取るとブラジル料理が体に合わなくなるが、日本料理はいつでもおいしい」と語った光永満寿子さん(80、三重県)は大講堂で太鼓や三味線などの発表を楽しんだ。ワークショップにも参加して「折り紙や切り紙教室も見て楽しみました」と満足気に微笑んだ。


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 着物ショーを見たある日系人男性は、「なんでベテランばかりが花魁や花嫁衣裳など豪華なものを着ているのか?」との疑問を投げかけていた。今回は踊りが見せ場の舞踊大会ではなく、ファッションを見せる着物ショー。見る側としては「踊りの師匠クラスのベテラン」よりも「踊りは新米でも、若いモデルさん」に、しゃなりしゃなり歩いてもらった方が見ごたえがある?