本場博多の豚骨ラーメンがついにブラジル初上陸―。サンパウロ市ラーメン戦争が激化するなか、『博多一幸舎(株式会社ウインズ・ジャパン)』が10月、日本食レストランの目抜き通りサンパウロ市トマス・ゴンザガ街に第1号店を開店する。
04年に創業し、福岡市を拠点に国内14店舗、アジア諸国を中心に世界8カ国に展開するなど、急速に店舗を拡大させてきた同店。当地では本格的豚骨ラーメン店としてだけでなく、ラーメンフランチャイズ店としても第一号を目指す。
当地のオーナーとなる倉智隆昌さん(34、神奈川県)は「(サンパウロ市のラーメン市場を)いただきます!」と強気の姿勢を見せ、数年後には3~4店と店舗を拡大化していきたい意気込みだ。
開店準備のため、今月14日から当地視察に訪れた店主の吉村幸助さん(40、福岡県)も、「サンパウロ市のラーメン店はレベルが高く、ブラジル市場に強い関心を持っている」とした上で「初の本格的な豚骨ラーメン。味を真似る人も出てくるのでは」と期待十分だ。
秘伝のタレ以外は、食材は全て現地調達という。当地では豚骨の品質も良いといい、「現地の材料でも同品質のものを作る技術がある」と吉村さんは語る。
同店の人気の秘密は、何と言っても豚骨100%のこだわりスープだ。2つの羽釜で骨が砕けるまで炊き続け、熟したスープに若いスープと骨を頻繁に入替えながら味と旨みを凝縮させる。豚骨本来のクリーミーな味わいが特徴で、「豚骨界のハーゲンダッツ」との異名も持つとか。
麺には昔ながらの平打ち麺を採用。「昔からの博多の伝統だが、現在は少なくなった」といい、固い細麺でありながら、もっちりとした食感と喉越しのよさが特徴。
製麺工場長の一松竜太さん(25、福岡県)は「保水量が少ない分、小麦の密度が高い。より豊かな小麦の香りを楽しんでもらえる」と自信を覗かせる。
第1号店には、店長と製麺担当者が日本から派遣される。海外事業部部長の田中健太郎(40、福岡県)は「一緒に作業をしてゆくなかで後継者を育て、店舗拡大にあたっては現地人材を登用していきたい」と見通した。
『一つ』でも多くの『幸せ』を与えられる空間『舎』を作りたいという願いが由来となった『博多一幸舎』―。
吉村さんは「丼一杯で語り合える料理はラーメン以外にない。美味しいラーメンでブラジルのお客さんに喜んでもらえれば」と目を輝かせた。
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