ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》JBD社主ジョエズレイ=スイスの隠し口座差し止めに=PTへの賄賂用のものか?=デラソンでは巨額残高も披露=情報送付を待つ連邦検察庁

《ブラジル》JBD社主ジョエズレイ=スイスの隠し口座差し止めに=PTへの賄賂用のものか?=デラソンでは巨額残高も披露=情報送付を待つ連邦検察庁

1日のPT党大会でのルーラ氏とジウマ氏(Ricardo Stuckert)

1日のPT党大会でのルーラ氏とジウマ氏(Ricardo Stuckert)

 スイス当局が、JBSショックの仕掛人であるジョエズレイ・バチスタ氏が同国の銀行に持っていた口座が、同氏が報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)を行う前に、銀行側の判断で閉鎖されていたことを明らかにした。この口座は労働者党(PT)のルーラ、ジウマの両元大統領への賄賂の支払いに使われていたとされ、連邦検察庁はスイス当局からの情報を待っていると、2日付現地紙が報じている。

 ジョエズレイ氏が連邦検察庁に対し、PTにも贈賄行為を行っていたと証言したことが発覚したのは5月19日だった。
 それによると、ジョエズレイ氏は、ルーラ政権時代から国外にPTへの賄賂用の隠し口座を作っており、ルーラ氏の任期最終年である2010年の口座残高は7千万ドルだったという。ジウマ政権では別の口座を作っており、大統領選のあった2014年の預金額は1億5千万ドルに上ったという。
 ジョエズレイ氏によると、これらの口座の金を動かしていたのは、PT政権で財相をつとめていたギド・マンテガ氏で、ルーラ氏とジウマ氏は口座のことも金の動きも知っていたという。
 この件に関し、ルーラ、ジウマの両氏は即座に「証拠もないこと」と否定した。
 だが、スイス当局によると、ジョエズレイ氏のデラソンが行われる前に閉鎖された銀行口座は、同国のジュリアス・ベア銀行内に二つある。それらの口座の一つは「ルンスヴィル・インターナショナル」、もう一つは「ヴァルダルコ」という架空のオフショア名義で登録されていた。
 現時点ではこの口座の具体的な引き落としや支払先、金額などは明らかにされていない。また、口座が欧州で開設されていたために、銀行側もスイス当局も、ブラジル国内で動いた金額などはとらえていないという。だが、スイス当局の関係者は、送金が行われた日付を調べれば、ブラジルで選挙が行われる前の数カ月間に金の動きが大きくなっていたか否かは一目瞭然となるに違いないと見ている。
 ジュリアス・ベア銀行は該当する口座を閉鎖後に同国当局の汚職対策部門に疑惑について報告した上、残金はニューヨークのJPモルガン・チェース銀行に振り込んだという。ニューヨークはジョエズレイ氏の生活拠点があるところだ。
 この隠し口座に関する情報は、スイス当局からブラジルの連邦検察庁に回されることになっている。当局によると、連邦検察庁がこれらの情報を基に送金の実態をより詳細に捜査できる可能性は「極めて高い」という。