今年5月のブラジルの自動車輸出台数が、5月の記録としては史上最大となる7万3400台を記録し、今年1月から5月までの通算輸出台数も同期間の輸出台数としては史上最大の30万7500台となった。
輸出台数増加で生産台数も昨年5月比で33・8%増えており、1月から5月までの通算生産台数も、昨年同期比23・4%増の103万7千台となった。
ブラジル製の自動車の主な輸入先は、隣国のアルゼンチンで、今年は既に21万3千台輸入している。これは昨年の1月から5月までと比較して42%増えている。アルゼンチンは1国だけで、ブラジルの輸出台数の7割近くを占めている。
しかし、他のラテンアメリカ諸国も軒並み、ブラジルからの自動車輸入を増加させている。各国の輸入台数は、メキシコ23%、チリ218%、ウルグアイ179%、コロンビア63%、ペルー250%と、いずれも増大を記録した。
輸出総額は60億ドルに達し、昨年より52・7%増大した。なお、この金額には農業用車両も含まれている。
全国自動車工業協会のアントニオ・メガーリ会長は、各国との新しい商業協定や、レアルが比較的安いこと、各企業の国外市場獲得への努力がこの結果に繋がったとしている。
同氏はイノヴァール・アウト計画の実施もブラジル車をより魅力的にしたと語った。同計画は、ブラジル車の技術力や安全性、馬力を高めたという。
同会長は、今年のブラジル車の輸出台数は当初試算していた55万8千台を上回ると見ている。
生産量、輸出量共に伸びたことで、自動車業界の雇用喪失にも歯止めがかかり、5月の自動車業界は、478人分の雇用増となった。自動車業界の就労者は12万1400人に増えたが、昨年同月比ではまだ6600人少なく、2009年並みの水準だ。
また、各工場の稼働率もまだ高いとは言えない。自動車、商用車の工場は約50%で、トラックやバスなどの大型車両の工場は20%ほどだ。
このため、自動車業界ではまだ、2718人のレイオフ(一時解雇)が続いており、就労時間や給与を減らして就業している従業員も7609人いる。
メガーリ会長は、「輸出は好調だが、まだ内需が伸びてこないので、自動車業界全体が活気づいているとは言えない」としている。(7日付エスタード紙より)