【既報関連】5月23、30日と再三延期されていた労働法改正法案が、6日の上院経済問題委員会(CAE)で審議され、賛成14、反対11で可決されたと7日付現地各紙が報じた。
同法成立を目指す与党は、今週中にも上院の社会問題委員会(CAS)で報告書を読み上げて、来週は採決と承認、憲法法務委(CCJ)と進んで、議会が休みに入る前に上院本会議で採決を行う目論みだ。
6日夜は、選挙高等裁判所(TSE)で、ジウマ/テメル・シャッパの審理が始まり、政治の目は大方がそちらに流れたが、CAEだけは熱気のこもる議論が行われた。
CAEでの承認は、テメル政権が印象付けようとしている、「政府の進める改革はJBSショックにもTSE危機にも影響されない」としたイメージ強化に役立った。
しかしながら、舞台裏では、テメル大統領所属の民主運動党(PMDB)内でも、労働法改正案成立への道のりは楽ではないとの空気が支配している。
事実、PMDBの上院リーダーで、前上院議長のレナン・カリェイロス上議は、公然と同改正案に反対する姿勢を見せている。
報告官のリカルド・フェラッソ上議(民主社会党・PSDB)は、委員会で労働法改正案を変更すると下院で再審議する必要が生じるため、何も変更せずに上院を通過させた後に、項目別に拒否権を行使したり、暫定令を出したりすることで政府と合意している。
この場合の暫定令は特に、短期契約(trabalho intermitente)に関する規定を定めるものだ。
これらは全て、野党はもとより、与党であっても、法案の全てに賛成しているわけではない議員たちを賛成の方向でまとめるための方策だ。
労働法改正法案は、広く、企業関係者からの支持を集めているが、野党のパウロ・パイム上議(労働者党・PT)などは、「労働者がこれまで勝ち取ってきた権利を破壊するものだ」と批判している。
リカルド・フェラッソ上議は、「個人にとって何が良いかを政府が全て規定する時代は終わった。自分にとってどんな労働条件が必要かつ最良かを各自が選択する時代であり、改正法はそのための幅を広げる」とし、同法案を擁護している。
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