サンパウロ州内陸部のサウト市で、今年もまた、チエテ川の川面を流れる白い泡が市内にまで流れ込む現象が起き、注目を集めている。
川面を漂い、風にあおられると市内にも飛んでくるし、急な増水時などには市内にも流れ込んで来る泡は、チエテ川に流れ込む生活排水に含まれる洗剤などの成分が、水の流れと障害物などで形成するものだ。
雨が少なく、川を流れる水の量が減る時期は、洗剤などの成分の濃度が高くなり、泡が発生しやすくなるが、大量の泡が発生した後に雨による増水などが起こると、泡全体が一気に持ち上げられて市内になだれこむ。粟の発生はチエテ川下流にあるサンタナ・デ・パライバ、サウト、ピラポラ・ド・ボン・ジェズスの3市では頻繁に見受けられる。
同州水道公社(Sabesp)のジェルソン・ケウマン総裁は「この泡は有毒なものではない」というが、大西洋岸森林地帯の環境問題を扱う非政府団体(NGO)「SOSマッタ・アトランチカ」コーディネーターのマル・リベイロ氏は、ケウマン総裁の論に真っ向から反対している。
リベイロ氏によると、この泡は洗剤などの清掃用品同様、触れたり吸い込んだりすれば、肌や気管支のトラブルを引き起こしかねず、害を与えるという。リベイロ氏は、泡が消えても泡の成分は地面や建物に付着して残っているため、泡が押し寄せた所は、大量の水で洗うなどの措置を欠かさないようにも呼びかけている。
だが、泡は悪い事だけを引き起こしている訳ではない。リベイロ氏によると、泡が立つ事で、川の中の有害物質やバクテリアも浮き上がるのだという。同氏はまた、泡のある所は酸素があるし、生き物もいるというが、どのような条件の時は酸素や生き物の存在の証拠といえるかは今後も研究を待つ必要がある。(8日付G1サイトより)