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《ブラジル》選挙高裁=ジウマ/テメルの命運は?=予想ではシャッパ「無罪」有力=報告官は熱弁で当選無効訴え=判事見解で感情的脱線も

9日のTSEの様子(Roberto Jayme/Ascom/TSE)

9日のTSEの様子(Roberto Jayme/Ascom/TSE)

 選挙高等裁判所(TSE)でのジウマ/テメル・シャッパの裁判も4日目となった9日、いよいよ本題となる、14年の大統領選における同シャッパの当選無効を問う投票が行われた。9日付現地紙サイトが報じている。

 各判事の投票は、報告官の投票後、1人持ち時間20分ずつで行われることになっており、午前中か午後の早い時間帯に結審と見られていたが、報告官のエルマン・ベンジャミン判事は報告書を読み上げ、自分の票を投じるまでに9日だけで4時間を費やした。
 午前9時30分から、自身の要約した報告書を読み始めたベンジャミン判事だったが、8日の審理で、7人中の判事中4人が「審理の参考に含めない」としたオデブレヒト社幹部らの報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)の情報も盛り込んだ内容を読み上げた。
 そこには「2014年3月31日の時点で、ジウマ/テメル・シャッパの裏金口座にはオデブレヒト社からの13万3千レアルの金があった」、「〃ポス・イタリア〃ことギド・マンテガ財相の秘密口座を介して贈賄が行われていた」などの内容が含まれていた。
 ベンジャミン判事は「ブラジルで行われる違法な献金について調査する場合、オデブレヒト社の調査は不可欠だ」「オデブレヒト社の証言は疑いようのない事実だ」との持論を展開。そこまでに2時間を要した。
 ベンジャミン判事はそこから、ジウマ氏の選挙参謀ジョアン・サンターナ被告とオデブレヒト社との関係について語り、さらにジウマ陣営の献金の使い道について、「架空の印刷会社に何百万レアルもの不当に高い金をつぎ込むのはありえないことだ」と続けた。
 ベンジャミン判事は、自らの見解を話し始めて約4時間後の午後1時27分に、ようやく「ジウマ/テメル・シャッパの無効を求める」とした。さらにテメル(当時)副大統領に関しても、「国民は大統領と副大統領を個別に選んだわけではなく、シャッパで決めた」として、切り離すべきではないとも明言した。
 午後3時30分から再開した審理は、ナポレオン・ヌーネス・マイア判事の投票からはじまったが、同判事が自身と息子の名前がJBS社のデラソンで出て来たことへの憤りを込め、「デラソンは信用できない」と語り始めたため、ジウマール・メンデス長官になだめられる一幕もあった。
 午後4時50分現在では当選無効1、有効1が投じられたのみだが、ブラジルメディアは判事投票4対3でシャッパ「無罪」と予想している。