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《ブラジル》連警がアキレス作戦実施=JBSが社主の供述漏洩利用?

 ブラジル連邦警察が9日、食肉大手のJBSが、社主のウエズレイ・バチスタ氏らの報奨付供述漏洩などの情報を事前につかみ、4月から5月にかけて金融操作を行い、収益を得た容疑で、「アキレス作戦」を敢行したと同日付現地紙サイトが報じた。
 今回の作戦は、5月18、19日に有価証券取引委員会(CVM)がJBSに対する調査開始を決めたと知った連警が、同日から始めた捜査に基づいている。
 CVMの調査は、JBSが5月17日に大量のドルを買った直後に、ウエズレイ氏がテメル大統領と会った時の会話の録音などが暴露され、18日の証券、為替市場が大揺れした事で、同社が多額の為替差益を得た事などが判明して始まった。
 5月17日に報じられた大統領とウエズレイ氏の会話の録音は、5月18日に最高裁が承認したJBS幹部の報奨付供述の一部だ。同社社主のウエズレイ氏の供述や音声データは5月17日夜、グローボ局のサイトとテレビで流れ、政財界に大混乱をもたらした。
 CVMはその後、JBSが報道直前に売却した自社株を買い戻すなど、証券市場や為替市場の動きによって便宜を得ていた事も突き止めている。JBSとその持ち株会社であるJ&Fならびに、J&Fグループ傘下の会社に対する疑惑解明のためにCVMが始めた調査は、6月2日の時点で11件に増えている。
 連警の捜査は、5月17日の報奨付供述の内容漏洩で同社が巨額の恩恵を受けたことに関連した疑惑(一方で多くの金融関係者や投資家が多大な損失を被った)から始まった。
 今作戦では、4月末に行われたFBパルチシパソンエスによるJBS株売却と、JBSが2月に導入した自社株買戻し計画との関連や、4月末から5月半ばにかけて行われたドルの売買やドルでの先物取引に関する疑惑も対象となっている。
 アキレス作戦では、家宅捜索と物証押収のための令状が3件、強制連行と事情聴取のための令状が4件出ており、11時20分現在の同社の株価は4%下落した。