【共同】公立小中高校などに在籍する外国人の児童生徒のうち、日常生活や授業に支障があり日本語指導が必要な子どもは昨年5月1日時点で全体の4割に当たる3万4335人となり、過去最多を更新したことが13日、文部科学省の調査で分かった。前回調査の2014年度から5137人増で1991年度の調査開始以来、初めて3万人を超えた。
文科省は増加の理由を「東京五輪・パラリンピックに向けて労働力を求める日本に、世界から人材が集まってくる流れが強まった」とみている。
児童生徒の母語別で見ると、ポルトガル語が8779人で最も多く、続いて中国語が8204人、フィリピン語が6283人、スペイン語が3600人だった。都道府県別では、自動車産業などが集積し、大企業の工場などがある地域が目立っており、最多は愛知の7277人。神奈川3947人、東京2932人、静岡2673人と続いた。
文科省によると、公立小中高校などに在籍する外国人の児童生徒は8万119人。ただ日本語指導が必要な3万4335人のうち、実際に特別な指導を受けている子どもの割合は76・9%(2万6410人)で前回調査から6・0ポイント減となり、文科省は支援の充実を図るとしている。
在籍する主な学校種別は小学校2万2156人、中学校8792人、高校2915人でいずれも前回から増えた。在籍学校数は883校増の7020校。1人しか在籍していない2851校と2人在籍の1339校で全体の6割近くを占めた。
児童生徒が在籍する市町村数は825で前回から5自治体しか増えておらず、文科省は同じ自治体内に外国人の児童生徒が集まる傾向が進んでいるとみている。
海外から帰国したり、両親が国際結婚だったりして、日本語指導が必要な日本人の児童生徒も1715人増え、9612人と過去最多だった。