13日、エウニシオ・オリヴェイラ上院議長(民主運動党・PMDB)は、14年大統領選で次点だったアエシオ・ネーヴェス上議(民主社会党・PSDB)の停職処分が行われていないとの最高裁の指摘に対し、最高裁のラヴァ・ジャット作戦報告官であるエジソン・ファキン判事が停職処分のあり方を決めてくれれば、処分を遂行すると答えた。14日付現地紙が報じている。
ファキン判事は5月18日、アエシオ氏と姉のアンドレア氏がJBS社主のジョエズレイ・バチスタ氏に200万レアルを求め、いとこのフレデリコ・パシェコ氏がそれを受け取ったとされる件で、アンドレア氏とパシェコ氏への逮捕令状は認めたが、アエシオ氏への逮捕令状は拒み、停職命令を出した。
アエシオ氏はその暫定命令に従い、それ以降、上院議員としての活動は行っておらず、弁護人も「処分には既に従っている」と反論している。
だが、上院には13日現在も同氏の執務室があり、投票結果を示すパネルや現職上議の名簿にも名前が残っていた。また、同氏に代わる補欠上議もまだ指名されていない。
この状況に、最高裁側は「停職命令から1カ月になろうとしているのに、最高裁の命令に従っていない」とし、上院側の態度を問題視した。
エウニシオ議長はこれに対し、「上院の規定や憲法には停職に関する項目がなく、停職処置が取れない」と、最高裁側に具体的な指示を求めた。
これに関し、PMDB党首のロメロ・ジュカー、前上院議長のレナン・カリェイロス両上議は「暫定命令だけで議員を停職にはできない」とし、最高裁側のまとまった判断を求めている。
もっとも、テメル大統領ならびにPMDB側にとっては、アエシオ氏が停職にならない方が都合が良い。同党は、テメル連立政権からの離脱も考慮していたPSDBに対し、「18年の大統領選挙での協力」と「アエシオ氏の上議罷免回避への協力」を申し出て、PSDBが連立に残るよう交渉したとされている。
アエシオ氏とその関係者の件は当初、JBSの報奨付供述を承認したファキン判事の管轄下にあり、大統領とアエシオ氏、ロドリゴ・ロシャ・ロウレス元下議の3人が収賄と捜査妨害、犯罪組織形成の罪で捜査対象とされたが、大統領とアエシオ氏からの申し出で、別扱いとった。現在のアエシオ氏の件の報告官はマルコ・アウレリオ・メロ判事で、13日には第一小法廷がアンドレア氏への人身保護令適用を拒否する判決を下した。
また、上院は14日にアエシオ氏の名前をパネルから外した上、同氏への給与支払いや公用車使用は5月18日から差し止められているとの文書を最高裁に提出した。
なお、ファキン判事は5月18日に、アエシオ氏を停職にすれば犯罪を繰り返す心配はないと判断したが、検察庁側がアエシオ氏逮捕を強く求めているため、最高裁は20日の大法廷で同氏逮捕の必要についての審理を行うことに決めた。