JBSショックの張本人、同社社主のジョエズレイ・バチスタ氏が11日に帰国し、連邦検察庁と連邦警察で新たな供述を行った。14日付現地紙が報じている。
ジョエズレイ氏が行った報奨付供述はその一部が5月17日に漏れ、翌18日に正式に承認された。ジョエズレイ氏は司法取引に関する契約書に署名後、家族と共に国外に出ていたが、今回は、ルーラ元大統領とジウマ前大統領に対する賄賂の支払いに関して、再供述を求められて帰国した。
ルーラ元大統領とジウマ前大統領への賄賂は、5月12日に連警が行ったブリッシュ作戦で摘発された、社会経済開発銀行(BNDES)からの不正融資への見返りとされている。
JSBは労働者党(PT)政権時代にBNDESから8100万ドルの不正融資を受け、世界的企業に成長した。検察庁と連警は、BNDESからの不正融資と元、前大統領への賄賂の支払いについてより詳細な供述を得るために、ジョエズレイ氏を呼び戻した。
ブリッシュ作戦はジョエズレイ氏らの報奨付供述が漏れる5日前に行われたが、ジョエズレイ氏は供述内容の漏洩後、家族も危険にさらされているとして、家族同伴でブラジルを出国。一部メディアはニューヨークにいると報じていたが、本人は危険を避けるため、中国にいたという。
JBSからの賄賂の件は司法取引が認められた後に公開された報奨付供述の中に入っていたが、ルーラ氏は「証言内容を見ていないため答えられない」とし、ジウマ氏も「10年選挙でも14年選挙でも、企業に違法献金を頼んだり、受け取ったりした事実はない」とコメントしていた。