現在、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で逮捕・拘束中のエドゥアルド・クーニャ前下院議長〈民主運動党・PMDB〉が14日、パラナ州連邦警察で、JBS社社主のジョエズレイ・バチスタ氏が行った、「クーニャ氏がLJに関する秘密をしゃべらないよう、口止め料として賄賂を払っていた」との証言に関し、「そのような事実はない」と否定していたことがわかった。15日付現地紙が報じている。
ジョエズレイ氏は、「JBSショック」を引き起こした連警への報奨付供述〈デラソン・プレミアーダ〉の中で、JBSは闇ブローカーのルシオ・フナーロ氏を通じ、クーニャ氏に口止め料としての賄賂を毎月支払っていたと語っていた。
クーニャ氏への賄賂の件は、3月7日に録音され、5月17日に公表された、ジョエズレイ氏とテメル大統領の会話の中で、ジョエズレイ氏が「エドゥアルドとはうまくやっている」と語ったのに対し、大統領が「それはしっかり続けてくれ」と返した部分が関係しているとされている。
検察庁は、大統領の言葉は「クーニャ氏へ賄賂を継続して払ってくれ」という意味で、捜査妨害にあたると判断。テメル氏に対する最高裁への捜査要求では、捜査妨害と収賄、犯罪組織形成の三つの罪状が挙げられており、近日中に起訴する意向ともいわれている。
ただ、その録音が公表された時点から、会話の内容が曖昧でそうした推論をするのには十分ではないとの指摘が出ていた。さらに、会話の一部が編集された跡があると鑑定士が発言したことから、大統領がテープの再鑑定を要請。鑑定作業はまだ行われている。
クーニャ氏は14日に行った供述で、「金で沈黙を買ったなどという事実は一切なく、フナーロ氏やテメル大統領、大統領の側近と、その件で連絡を取ったことはない」と否定したという。
クーニャ氏の担当弁護士によると、「口止め料云々」の発言は、ブラジリアの連邦警察が同氏に確認するために送った47項目の質問状への返答を求められ、クリチバの連警に赴いて行った供述の中で出てきた。
質問状の約半分は、オデブレヒト社関係者がそのデラソンで、勤続期間保障基金(FGTS)の資金を開放してもらった見返りに1700万レアルの賄賂を払ったと供述したことに関連するものだった。クーニャ氏は同権については裁判で話すとし、回答を避けた。
クーニャ氏は同氏とテメル大統領の弁護士たちが提出した質問に基づく質問についても個別回答を避けており、ジョエズレイ氏の供述についても全般的なものいいに終始したが、JBSからの賄賂は受け取っておらず、デラソンに応じるようにとの働きかけもなかったと語った。弁護士の一人によると、「事を明らかにするために証言することも考慮に入れている」と語っているという。
一方、昨年7月から身柄拘束中のフナーロ氏は14日、ブラジリアの連警でPMDB下議たちへの贈賄工作についての供述を行った。同氏もデラソンを交渉中だ。