「警官が亡くなるのは主に勤務に当たっている時」、「警官が犯罪者を殺害するのは、その警官が事件現場に早く着き、残っていた犯罪者と武力衝突するから」、「警察が介入した事件で死者が増えているのは、犯罪者が警察よりも強力な武器を持っているから」といわれる。
だが、サンパウロ市を本拠とする、平和促進、人権保護系団体「ソウ・ダ・パス」(SDP)の調査結果はこれらの通説とは相容れないものだったと、16日付現地紙が報じた。
2013年、14年にサンパウロ市で亡くなった警官の内、7割は非番で、通報などを受けて現場に駆けつけた時に亡くなったのは全体の7・5%に過ぎなかった。(残る22・5%は不明)
また、警官が容疑者を殺害したケースのほぼ半数は、路上で警官が取調べを行った際のもので、34%が民間人による通報、もしくは出動命令によって現場に駆けつけた時のものだった。
2014年に警察が犯罪組織などから押収した武器の68%は回転式拳銃、19%は普通の拳銃で、これらは通常の警察の装備と変わりない。
警官が非番の時に亡くなったケースの7割は、警官が武器を携帯しているときに起きた。また、ほぼ1割のケースでは、「アルバイト」で警備員の仕事をしていた時におきている。
非番の際に亡くなった警官の中には、強盗などの犯罪に巻き込まれて犠牲になったり、事件現場に遭遇し、充分な装備も味方の警官の援護もない中で立ち向かったりしたケースもある。
サンパウロ州軍警人権部長のエルネスト・ネット大佐は、「非番の時に事件に出くわした時の行動規範によれば、最初にすべき事は190への通報だ。でも、警官たちに『何もするな』とは言えない。これは我々の職務からくる本能的なものだ」と語り、「問題は我々は、総員9万人の人の子の集まりだということ。事件現場では神経質にもなるし、ストレスも感じ、恐れも抱く」と続けた。
SDP幹部のマルケス氏は「非番時の警官は武器を持った一市民でしかない」とした上で、「警察は銃が使えるから警察たりうる。問題は、それをどのように使うかということと、どのようにして死を避けるかということだ」と語っている。