来月7から9日にかけてサンパウロ・エキスポセンターで開催される『第20回日本祭り』を控え、ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)は14日、ジャパン・ハウス内多目的ルームで記者会見を行った。ブラジル報道陣向けで同祭会見が開催されたのは今回が初。テレビ局など報道関係者40人近くが集るなか「サンパウロ市の一大行事」の概要が明らかにされた。
節目を迎える今回のテーマは、すばり『20年の歩み』だ。移民90周年祭を記念してイビラプエラ公園内で開催された初回から、約17万人の来場客を迎えるサンパウロ州の公式行事として育った歴史と、昨年創立50周年を迎えた県連の歩みを写真展で振り返る。
昨年は会場の大幅改装が完了し、立体駐車場が完備され、新たな2つの道路が完備されるなど、「今までで最高の日本祭」と評価された。今回は2025年大阪万博誘致に関する政府系展示も予定されており、今まで以上に充実した内容になりそうだ。
山田会長は「皆様の力添えを頂いて、大きくなったことは大変な誇り」と語り、「20年は節目。もう一度見直し、皆に喜んでもらえる日本祭にしていきたい」と意気込みを見せた。
会見には山田会長、市川利雄実行委員長、サンパウロ・エキスポセンターのダニエル・ガランチ理事、ギリェルミ・ムロJH副館長のほか、ブラデスコ銀行やトヨタ自動車、三菱電機の代表者らが出席した。
ガランチ理事も「日本祭を当方で開催できることは大変な誇りだ」と語り、「同祭はボランティアによって運営されるが、専門科集団のように組織立っているのは日本文化が体現されているからこそ。日系人から学ぶことは非常に多い」と手放しで称賛した。
市川実行委員長は「楽しんでもらえるよう内容を刷新し続けていく」と語る。今後は「組織をいかに専門化し、同祭の市場価値を高めていくかが協賛を得る上でも重要だ」とした。不況により協賛企業が減少するなかで行われた会見。「協賛企業の宣伝にもなるし、何よりも日本祭の重みに繋がる会見になった」と見ており、「これからは素人の行事ではなく、ビジネスとして運営していくことが必要だ」と今後を見通した。
入場券は現在各所で販売中。前売り22レアル、当日25レ。60歳以上の女性、65歳以上の男性、並びに8歳以下は入場無料。例年通り、ジャバクアラ駅から無料送迎バスも出る。詳細の問い合わせは、県連(11・3277・6108/11・3277・8569)まで。
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在聖総領事館の中前隆博総領事は2年の任期を終え、来月開催される県連主催の第20回日本祭りの最終日(9日)を以って帰国する予定だ。中前氏は、13年9月から日本国大使館公使として活動し、15年6月に在聖総領事に着任。任期中は、15年の日伯外交樹立120周年行事や、今年5月に開館した政府の文化広報施設「ジャパン・ハウス」の立ち上げ等に尽力した。また、同館管轄3州の100カ所の移住地を廻り、日系社会で開催される諸行事にも精力的に出席するなど、日系諸団体の関係者からは「アミーゴ」として親しまれ、人望を集めている。今後3週間は連日連夜、送別会かも。