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《サンパウロ州ジアデマ市》犯罪者らが押収銃器を奪回=ずさんな警備の隙をつかれ=3日にはグアルジャー市でも

 17日夜、サンパウロ市大都市圏ジアデマ市の裁判所に強盗団が押し入り、少なくとも391丁に上る銃器を奪い去ったと19日付現地各紙が報じた。
 強盗団は警備員を制圧、拘束し、武器保管庫から武器を持ち出して逃走した。盗まれた火器類は、同市の警察が2年半に及ぶ犯罪組織との戦いの末に押収・保管していたものだった。
 強盗団に襲われた警備員3人は、手足を縛られ、顔を覆われていたため、犯人を見ることも出来ず、強盗団が何人いたかさえも分からないという。3人に怪我はなかった。軍警が駆けつけたのは事件発生から3時間も経った、午後10時過ぎのことだった。
 盗まれた銃器の内訳は拳銃87丁、リボルバー294丁、機関銃3丁、ライフル1丁、小型拳銃3丁と、散弾銃、猟銃、小型ピストルが1丁ずつだ。その他に防弾チョッキ、弾薬、通信機器も盗み出された。犯罪集団から押収した武器は通常、刑事裁判の証拠として一定期間、裁判所に保管される。これらの武器は結審後か裁判所が判断した時点で陸軍に送られ、廃棄される。
 18日にはジアデマ市第一地区管轄署が捜査本部を設置、捜査員が現場検証に当たった。軍警も捜査を行っている。
 今月3日には、サンパウロ州の沿岸部、グアルジャー市の裁判所でも、犯罪集団から警察が押収し、保管されていた175丁の銃器や弾薬が奪われる事件が発生したが、その後の調べで、計372丁の銃器消失が確認された。
 ジアデマ市の警察が2015年1月から17年4月までに押収した銃器は461丁に上る。サンパウロ市はそれを大きく上回り、昨年は4420丁、今年1~4月は1243丁が押収された。
 サンパウロ州地裁のパウロ・ジマス・マスカレッチ長官は、「各地の裁判所は、警察が押収した武器を保管するために建てられていない。しかし、各所に保管されている、押収された武器を一朝一夕の内になくす事は出来ない。武器の廃棄は陸軍がコントロールしているから」と取材に対して語った。
 国家法務審議会(CNJ)は2011年、全国の裁判所には75万5千丁に及ぶ銃や関連物が保管されているとのデータを出している。
 また同年発表された別の調査では、04年から11年に裁判所から盗まれた銃器は3266丁に上る事がわかっている。