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《サンパウロ市》ゲイ・パレードが大盛況=政治的主張から音楽ゲストまで

18日のゲイ・パレードより(Cesar Itiberê/Fotos Públicas)

18日のゲイ・パレードより(Cesar Itiberê/Fotos Públicas)

 18日、サンパウロ市パウリスタ大通りで毎年恒例で南半球最大規模のゲイ・パレードが行われ、過去最大規模の人数がつめかけて盛況を見せた。19日付現地紙が報じている。
 サンパウロ市のゲイ・パレードは1997年にはじまっており、今年で21回目を迎えた。今年は盛況の様相を見せ、早い段階からパウリスタ大通りを埋め尽くす様子を撮った空撮写真などが出回った。
 軍警は正式発表を行っていないが、主催者側の発表では200~300万人が参加したという。
 サンパウロ市観光局が昨年行ったアンケートによると、参加者の44・2%は市外の人で、3・6%は外国人だったとされ、市にとっては大きな観光財源としても機能している。
 ゲイ・パレードは毎年、大きなテーマを掲げて行われており、今年のテーマは「宗教的中立国家」だ。参加者たちは性的志向の選択の自由を宗教が妨げることに対して反対する声を上げた。
 今年の行進では、テメル政権への強い批判を示し、18年10月の大統領選挙を前倒しし、直接選挙による大統領選挙を直ちに行う「ジレッタス・ジャー」を唱える人たちの姿も目立った。ブラジルの同性愛者の場合、政治的に左翼志向が強いのも特徴だ。
 この日は色とりどりの山車(街宣車)19台がパウリスタ大通りに出ており、観客を多く集める理由にもなったゲストの歌手によるパフォーマンスも話題を呼んだ。
 ひとりは、自らも同性愛者であることを公表して話題を呼んだアシェーのベテラン歌手のダニエラ・メルクリだ。彼女はサンパウロ市の大晦日恒例のイベント「ヴィラーダ」などにも目玉出演者と参加しており、サンパウロ市民とは相性がよいため、同じ同性愛者としての共感度も高かった。
 また、このところブラジル音楽界で最大級の人気を誇り、リオ五輪の開会式でも歌を披露したアニッタも登場。20分と短い時間ながら、観客から大声援を受けていた。