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《ブラジル》労働法改正審議=上院の委員会で否決される=造反者が出て10対9の敗北=与党内の結束また揺らぐ=「本会議採決では勝つ」と大統領

共にPMDBでありながら法案反対派のレナン元上院議長(右)と、法案推進派のジュカー上議(左)(Lula Marques/AGPT)

共にPMDBでありながら法案反対派のレナン元上院議長(右)と、法案推進派のジュカー上議(左)(Lula Marques/AGPT)

 【既報関連】テメル政権が早期成立を目指す労働法改正法案が20日の上院社会問題審議委員会(CAS)で採決され、賛成9票、反対10票で否決されたと21日付現地紙各紙が報じた。
 与党側から3人の造反者が出て反対票を投じた事が逆転現象の一因となったが、政府は予定通り、同法案を憲法法務委(CCJ)から上院本会議へと進め、承認を目指す構えだ。
 CAS内で労働法改正法案の支持が薄い事は、採決前の審議から明らかだった。90分にわたる審議中、法案を支持したのは上院政府リーダー、ロメロ・ジュカー上議(民主運動党・PMDB)と、報告官のリカルド・フェラッソ上議(民主社会党・PSDB)だけだった。
 ロシア訪問中のテメル大統領(PMDB)は、「重要なのは本会議、委員会で1回負けた程度の事は驚きではない。本会議では必ず勝つ」と語り、CASで否決されたショックの最小化を試みると共に、上院本会議での可決に全幅の期待を寄せている事を改めて表明した。
 定員81人の上院承認のために必要な票数は41票だ。現在、与党側は最低でも46票の賛成を計算している。
 モレイラ・フランコ政府秘書室長官(PMDB)は、エリオ・ジョゼ上議(PMDB)とエドゥアルド・アモリン上議(PSDB)の造反を「嘆かわしい」と評し、特に「PSDBはこれまでいつも労働法改正を支持してきたのに」と驚きの色を隠さなかった。
 今回のCASでの労働法改正案否決は、政治的に見ると、上院政府リーダーのロメロ・ジュカー上議に対する、PMDBリーダーのレナン・カリェイロス元上院議長の勝利だ。
 与党側はセルジオ・パテコン上議(社会民主党・PSD)の賛成も見込んでいたが、同上議は地元アクレ州から時間通りに到着できず、代理のオットー・アレンカール上議(PSD)は反対票を投じた。
 さらに与党側は、労組系議員で、与党内反対勢力のレナン元上院議長の息がかかるエリオ・ジョゼ上議に対し、採決に出ないようにと説得する事に失敗した。
 なお、「労働法改正法案、上院CASで否決」の報は20日の為替相場にも影響し、サンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は2・01%ダウン、ドル/レアル相場は1・4%のドル高となった。