民主運動党(PMDB)のロビイストで現在は逮捕中のルシオ・フナロ被告が連邦警察に対して、テメル大統領が2回の選挙で贈収賄を依頼した、と述べていたことがわかった。21日付現地紙が報じている。
フナロ被告の供述は、今月14日に連邦直轄区の連警で行ったものだ。
それによると、テメル氏は、BRヴィアス社とLLX社の2社に勤続期間保障基金(FGTS)からの融資を行うよう連邦貯蓄銀行(Caixa)に認めさせた見返りのコミッション(賄賂)を、2回の選挙の選挙献金に回させたという。
これら2社からの賄賂は計2千万レアルを超えるといい、12年のサンパウロ市市長選に出馬したPMDBのガブリエル・シャリッタ候補と、14年にジウマ氏の副候補として大統領選に出馬したテメル氏への選挙資金とされたという。
BRヴィアス社は航空大手のGOL社の経営者でもあるコンスタンチーノ一族が経営している。また、LLX社(現プルモ・ロジスティカ)の共同経営者は、かつて大富豪として知られ、現在逮捕中の企業家エイケ・バチスタ氏だ。
フナロ被告は、Caixaに絡んだ汚職を摘発した16年7月のセプシス作戦で逮捕され、JBSの報奨付供述に基づくパトモス作戦で再逮捕されている。同被告は両社への融資承認に伴う賄賂はエドゥアルド・クーニャ被告にも払っていたことや、クーニャ被告から、ペトロブラスとオデブレヒト社の間の石油採掘船建設契約に関する賄賂のことは大統領も知っていると聞いたと供述している。
また、クーニャ被告もテメル大統領への質問状の中で、BRヴィアスの共同経営者を知っているかや、FGTSからの融資と選挙資金との関係などを問いただしている。
フナロ被告は、09年にFGTSからの資金融資を受けたCibe社からの賄賂を、窓口となった当時の連邦貯蓄銀行ロテリカ部副総裁で、テメル政権の「三本の矢」の一人と称される、モレイラ・フランコ現大統領府秘書室長官に払ったとも語っている。
フナロ被告によると、「三本の矢」の一人でテメル氏元側近のジェデル・ヴィエイラ・リマ元大統領府総務長官にも、連邦貯蓄銀行法人部の副総裁だったとき、FGTSからの融資を認めた見返りとして、JBSの持ち株会社のJ&F社からの賄賂、2千万レアルを払ったという。
なお、フナロ被告はテメル大統領とは面識が少なく、3度しか会ったことがないという。同被告は現在、報奨付供述の交渉中といわれている。
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