ブラジル労務省が20日、5月の正規雇用者数は前月比で3万4253人増え、14年11月以降初の2カ月連続の雇用増となったと発表したと20、21日付伯字紙・サイトが報じた。
全就労・失業者台帳(Caged)によると、月間雇用の増加は今年3度目で、今年の累積でも4万8543人の雇用増となった。この数字は、1~5月に54万3千人の雇用増を記録した14年以来の好記録だ。
5月の数字は届け出るべき期間を過ぎて登録されたものも含んでおり、若干修正される可能性があるが、現時点で最も雇用が増えたのは農業の4万6049人、サービス業の1989人や製造業の1432人、公務員の955人がそれに続く。雇用が減ったのは商業1万1254人、建築4021人、鉱業510人などだ。
地域別に見ると、南東部は3万8691人、中西部は6809人、北東部は372人の雇用増を見たが、北部は1024人、南部は10595人の雇用減となった。
LCAコンスルトーレスは、今年末時点の雇用増は累計100万人と予想する。この数字はここ2年間で生じた280万人の雇用喪失を埋めるには不十分だが、14年以降の景気減速や景気後退を鑑みれば、緩やかだが景気が回復し始めた徴(しるし)といえるとの考えを示した。
また、ロナウド・ノゲイラ労務相も、政治的な混乱が景気回復に影響を与えているものの、「5月の雇用増は、景気が安定し始め、雇用も回復してきている証拠だ」と強調した。
現政権の経済政策推進役のエンリケ・メイレーレス財務相も、「この数字は、雇用も徐々に回復し始めるという我々の見通しが正しかった事を再確認してくれた」との言葉で喜びを表した。
テンデンシアス・コンスウトリアのチアゴ・シャヴィエル氏は、「季節的な要因を加味すると、現状はまだネガティヴ」としたが、昨年同期より状況が改善し、緩やかだが雇用も回復してきている事を認めた。
一部の専門家は、製造業の雇用も回復し始めた事で、これからは商業なども回復に向かうとの考えを示している。