最高裁では22日も、JBS社の報奨付証言〈デラソン・プレミアーダ〉に関する判事投票が行われ、途中経過であるものの、同社のデラソンは有効で、現在の報告官のエジソン・ファキン判事が同社のデラソン絡みの案件も報告官をつとめることが7―0で支持された。ただ、デラソンのあり方や司法取引の見直しを巡っては、判事間で強い口調での議論が起こった。23日付現地紙が報じている。
21、22両日は、JBSのデラソンの有効性とファキン判事が同社に関する報告官を続けて務めることに関する判事投票が行われ、ファキン判事はじめ、アレッシャンドレ・デ・モラエス、ルイス・ロベルト・バローゾ、ローザ・ウェーベル、ルイス・フクス、ディアス・トフォリ、リカルド・レヴァンドウスキーの計7判事が、「賛成」票を投じた。
残りの4人(ジウマール・メンデス、マルコ・アウレーリオ、セウソ・デ・メロの各判事とカルメン・ルシア長官)の投票は28日に持ち越しとなった。今後も投票内容を変えることはできるが、現状で11人中7人と過半数を占め、票が大きく変わることも考えにくいため、ファキン判事が引き続いてJBSの件の報告官をつとめることになりそうだ。
また、テメル大統領やアエシオ・ネーヴェス上議の政治生命を脅かしかねないジョエズレイ・バチスタ氏らのデラソンに関しても、現時点では無効を訴える意見は出ていない。
だが、デラソンのあり方や報奨の内容の見直しについては、判事たちの意見が分かれた。
バローゾ判事とフクス判事の見解が分かれたのは「司法取引の見直し」に関してだ。バローゾ判事は「デラソンは捜査手法の一つで、法律に明記されていない報酬もありうる」し「司法取引は契約そのもの」としたが、フクス判事は「デラソンの有効性は後で検証することができる」とした。
ファキン判事はこの場合の「デラソンの有効性」を供述の内容が司法取引を結んだ段階で期待された結果をもたらしたか否かと規定し、司法取引は供述者が義務を遂行しなかった場合にのみ見直すべきとの見解を表明した。
また、バローゾ判事はメンデス判事にも反論した。メンデス判事はジョエズレイ氏が行った3月7日のテメル大統領との会話の録音に関し、「録音が自発的に行われたものでなく、検察庁の指示があった疑いがあること自体、司法取引の原則を壊している」と論じた。これに対し、バローゾ判事はジョエズレイ氏の証言だと明言するのを避けつつも、「自発性が疑わしいという理由で無効にすれば、今後の司法取引そのもののあり方も変えなくてはならなくなる」と危惧感を示した。
また、ファキン判事は22日、ロドリゴ・ジャノー検察庁長官に対し、テメル大統領に対する起訴を5日以内(27日まで)に行うよう求めた。また、連警に対しても、録音内容の鑑定を含む最終報告書の速やかな提出を要請した。