労働者党(PT)政権で財相や官房長官を務めたアントニオ・パロッシ被告に26日、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)絡みで12年の実刑判決が下ったと同日付現地紙サイトが報じた。
パロッシ被告は連警が16年9月に行ったLJ第35弾で逮捕され、収賄や資金洗浄(マネーロンダリング)の罪に問われていた。第35弾はオデブレヒト・グループが請け負った石油採掘船21隻の建造計画に絡む汚職を扱ったものだ。
オデブレヒト社(以下オ社)が請け負った石油採掘船建造はセッテ・ブラジルやエンセアーダ・ド・パラグアスが下請けしたが、パロッシ被告は国外のオフショアー会社を使って建造契約絡みの金を動かし、1020万ドルを隠していた他、PTの選挙資金の不足を補うためにオ社が払った1億レアルの賄賂の管理を担当していたとされている。同被告には、資金洗浄19件も含め、12年2カ月20日間の禁固刑と80万8千レアルの罰金、1020万ドルの資産凍結が言い渡された。
パラナ連邦地裁のセルジオ・モロ判事は、政権の中枢ともいえる役職についていた人物が職責を利用して不正な金を得、選挙の裏献金を要請した事は、ペトロブラス(PB)社職員が私腹を肥やしたケースより悪質だとした上、選挙戦への賄賂の資金洗浄は、民主主義に基づく政治形態を脅かすと明言した。
パロッシ被告は無罪を主張していたが、5月に入ってからは弁護士を入れ替え、司法取引の交渉を始めていた。弁護士達は採掘船建造と収賄との関係が明瞭ではないとして、控訴する意向だ。
今回の裁判では、PT元中央会計のジョアン・ヴァカリ・ネット被告や元選挙参謀のジョアン・サンタナ&モニカ・モウラ被告夫妻、オ社元社長のマルセロ・オデブレヒト被告、PB社元理事のレナット・ドゥッケ被告ら12人にも有罪判決が下ったが、パロッシ被告の元補佐官とオ社元幹部各1人は証拠不十分のため、無罪とされた。
報奨付供述を行ったサンタナ・&モウラ夫妻とマルセロ・オデブレヒト被告には若干の刑期短縮が認められたが、ドゥッケ被告は供述に応じたのが遅かった上、他の供述者が語っていない新事実は何もなかったとして、厳しい判決が下った。
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