5月13日に開幕したサッカー・ブラジル全国選手権も、1カ月半足らずで全日程のほぼ4分の1となる第10節まで消化した。
25日には9節終了時点で首位を走るコリンチャンスと、勝ち点1差で2位につけるグレミオとの直接対決が、グレミオのホーム、ブラジル南部、リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレのアレーナ・ド・グレミオで行われた。
スタジアムを埋めた5万人以上の観衆のほとんどを味方につけたグレミオは積極的に攻撃を仕掛け、ここまで堅守で勝ちを積み重ねてきたコリンチャンスは守る展開が続いた。
均衡が破れたのは後半開始直後、コリンチャンスのMFパウロ・ロベルトが左から攻め上がり、グレミオのディフェンスをかわしてゴール近くまで侵入、中への折り返しをMFジャジソンが蹴り込み、コリンチャンスが先制した。
リーグ最多得点を誇るグレミオも、欧州強豪チームも注目するリオ五輪ブラジル代表のFWルアンや、元パラグアイ代表のFWバリオスなどを中心に反撃するが、コリンチャンスはゴールを割らせない。
後半30分過ぎにグレミオが獲得したPKのチチャンスも、この日大活躍のコリンチャンスGKカッシオが、ルアンのキックをストップ。コリンチャンスが1―0で逃げ切った。
これでコリンチャンスは唯一の無敗を守り、8勝2分で勝ち点を26に伸ばした。一方のグレミオは7勝1分2敗で勝ち点22となり、勝ち点差が4に拡がった。
開幕前の予想では圧倒的優位とされながらも、なかなか波に乗れなかった昨年王者のパルメイラスは3連勝を記録し、順位を4位に上げた。3位にはこちらも開幕前の予想では優勝争いに絡むことが確実視されていたリオの人気チーム、フラメンゴがつけている。
順位表の下に目をやると、昨年11月の飛行機事故で監督と主力選手ほぼ全員を失ったシャペコエンセが4勝1分5敗、勝ち点13の13位につけている。全国選手権で一度も2部降格のない名門サンパウロFCは、新監督ロジェリオ・セニの経験の浅さが露呈し、3勝2分5敗で勝ち点11と、降格ゾーンまであと一つの16位に低迷している。
ブラジル全土を舞台とし、12月3日の第38節まで行われる全国選手権は、まだまだ4分の1を消化したばかりだ。
スタートダッシュには成功したコリンチャンスも、控えメンバーも含めた選手層には不安があり、優勝争いの行方はまだ混沌としている。(規)
タグ:シャペコエンセ サンパウロ サッカー チチ ブラジル代表 パルメイラス コリンチャンス リオ五輪 パラグアイ フラメンゴ サンパウロFC 写真ニュース