信号補修会社との契約が切れて半年。故障も頻発する中、サンパウロ市ではコーンや小型の立て看板を道路に置いて交通整理を行う事態が増えていると27日付現地紙が報じた。
サンパウロ市の道路交通の安全を守る交通工学公社(CET)は一時的措置のつもりだったが、この光景は市内主要道路でも常態化しており、ドライバーや歩行者は不便さだけでなく、恐怖さえも感じるようになっている。
信号の故障のせいで、バスレーンもある4車線道路がコーンや小型立て看板で封鎖されるのは異様な光景だ。
運転手やバスの利用者が通過できずに不便を被るだけでなく、交通の混乱は周辺の道路にまで拡がっている。取材記者は、市警の車両が、中央分離帯に大きく侵入して封鎖地点を突破するというシーンにまで出くわした。
「市は解決する気がないのか」(タクシー運転手)、「通行人が蹴って位置がずれても、直すのは私たち」(売店店員)と不満の声は後を絶たない。
昨年、死亡事故が最も多かった10の大通りの一つ、ジャク・ペッセゴ大通りでも、コーンや立て看板が置かれている。
サンパウロ市役所は、信号補修会社との契約交渉は進んでいるが、業務開始の日付が決まっておらず、信号のケーブル盗難にも悩まされているとした。
交通工学が専門のルイス・マントヴァーニ氏は、「コーンは『何か道に不都合や異常があるはず』とドライバーに認識させるので、何もないよりはもちろんまし。ただし、信号の代わりにはならない」と語っている。
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