労務省が管理する社会情報の年次報告(Rais)によると、50~64歳の正規雇用者は10~15年に約30%、65歳以上の場合も60%弱増えたと28日付現地紙サイトが報じた。
10年の50~64歳の正規雇用者は589万9157人だったが、15年は766万482人にと29・9%増えた。また、65歳以上の正規雇用者は、36万1387人から57万4102人にと、58・9%の増加を記録した。
15年の場合、50歳以上の正規雇用者が最も多かった部門はサービス業で、50~64歳の人は約260万人、65歳以上の場合は20万481人がサービス業に従事していた。
サービス業に次いで多かったのは公務員で、50~64歳の人は250万人、65歳以上の人は20万9851人いた。3番目に多かったのは製造・加工業で、50~64歳が92万3千人、65歳以上が5万500人いた。商業では、50~64歳が86万4千人、65歳以上が5万2千人働いていた。
だが、10~15年は順調に増えた50歳以上の正規雇用者も、最近の12カ月間は解雇者が急増したという。
労務省が管理する全就労・失業者台帳(Caged)によると、最近の12カ月間では、50~64歳は200万人以上、65歳以上でも9万9200人が職を失った。同期間中の50歳以上の新規採用者は93万1413人だった。
この年齢の労働者は、一度は年金生活に入ったが、職場復帰した例も多い。年金受給者が職場復帰した場合、休暇や13カ月給(ボーナス)、扶養手当は通常通り保障されるが、事故や病気で欠勤した場合の社会保障費は受け取れなくなる。
ブラジルでは、11年から景気減速が言われ始め、15年の第1、第2四半期には、国内総生産(GDP)が2期連続で前期より縮小し、リセッション(景気後退)が始まった。現地メディアは景気後退入り前も、知識や経験が豊富で新たに教育する必要が余りなく、生産効率が高い事や、解雇時の経費が払えないなどの理由で高齢者の雇用が増えていると報じていた。