27日、法務省傘下の消費者保護局(DPDC)は、コンサート興業の大手企業T4Fに対し、10月に行われる世界的ロックバンド、U2のコンサート・チケット方法に問題がなかったか、10日間の期限を設定して説明を求めた。
U2は世界的に人気のロックバンドで、ブラジルでの人気も圧倒的だ。2011年に公演を行った際も、チケットがあっという間に売り切れたことで話題となっていた。
今年の公演は、10月19、21、22日にサンパウロのモルンビ・スタジアムで行われ、同バンド史上最大の人気アルバム、「ヨシュア・トゥリー」の発売30周年を記念して、同アルバムの曲を通しで全部演奏する予定で、公演の噂があがった時点で話題が殺到していた。
今回の会場となるモルンビ・スタジアムは6万5千人収容のスタジアムで、かのレディ・ガガやマドンナ、ローリング・ストーンズでさえ、1公演が売り切れなかったほどの会場だ。
ところが、U2は、19日分を店頭での正式発売から1時間、21日分を1時間30分で全て売り切っていた、
U2のチケットの発売方法をめぐっては、購買希望者から苦情が多く出ていた。発売方法は、まず、正式店頭発売の数日前にファンクラブ限定発売。さらに、T4F社のスポンサーのブラジル銀行のクレジット・カード「オウロ・カード」の所有者限定の発売。一般向けチケットの正式発売はその後で、午前0時にネットで、10時にプレイガイドで開始という方法を取っていた。
「ファンクラブにばらまき過ぎたのでは」「ネットがつながらず、エラー表示が出るのはなぜだ」「規定以下の数しか売っていないのではないか」との苦情はファンサイトに多く寄せられていた。実際の話、21日分のネット発売は規定の1分前の23時59分に始まり、問題となった。また、ファンクラブ・メンバーの大量買占めの実態への抗議を受け、21日公演分には購買の枚数制限も設けられた。
T4F社はこれらについての説明を求められる形となっている。
22日分の正式発売は29日に行われたが、2公演の記録的な売り上げにマスコミが反応。サンパウロ市では早朝から、同公演のオフィシャル・プレイガイドであるシティバンク・ホールや、市内の繁華街にある電化製品店FNACのプレイガイド前に長蛇の列が出来、テレビのニュースで紹介された。
さすがに再追加公演だったこともあり、最初の2公演ほど早くは売り切れなかったが、結局この日も発売開始から6時間後には売り切れた。
ブラジルでは今年の後半、9月にロック・イン・リオと、そのサンパウロ版のサンパウロ・トリップ、10月にポール・マッカートニー、11月にグリーン・デイ、コールドプレイ、ブルーノ・マーズと大物の公演が相次ぐが、U2がその中心になりそうだ。(29日付フォーリャ紙サイトなどより)
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