連邦警察は3日、テメル大統領の側近役も務めていたジェデル・ヴィエイラ・リマ前大統領府総務室長官(民主運動党・PMDB)を逮捕した。前長官はラヴァ・ジャット作戦(LJ)から派生したクイ・ボーノ作戦で収賄などに問われていたが、今回は、エドゥアルド・クーニャ前下院議長(PMDB)やPMDBのロビイストのルシオ・フナロ氏が報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)に応じるのを妨害した容疑での逮捕。同件でも検察庁の捜査対象となり、近日中に起訴される可能性のあるテメル大統領をさらなる激震が襲った。4日付現地紙が報じている。
ジェデル氏は既に、1月に行われたクイ・ボーノ作戦の捜査対象となっていた。同作戦は、同氏が連邦貯蓄銀行(CAIXA)の副総裁だった2011~13年に行った企業への不正融資とそれに伴う贈収賄を摘発したものだ。
同氏への容疑は、最近デラソンに応じたフナロ容疑者や、JBS社主のジョエズレイ・バチスタ氏、J&Fグループ司法理事のフランシスコ・デ・アシス氏の証言でも裏付けられた。
フナロ容疑者は「ジェデル氏はJBSやマルフリギ、ベルチンなどの大手企業に不正融資を行った見返りとして、2千万レアル以上の賄賂を受け取った」という。また、ジョエズレイ氏も、当時下議だったクーニャ氏とジェデル氏の関係を認めると共に、フナロ容疑者を仲介して1億レアル以上を支払ったと供述している。フナロ容疑者によると、ジェデル氏は常に彼が払った金の一部を受け取っていたという。
だが、連邦直轄区地裁第10法廷のヴァリスネイ・オリヴェイラ判事が逮捕令状を出した理由はもっと深刻だ。それは、ジェデル氏が5~6月にフナロ氏夫人に12回も携帯電話で連絡を取り、夫がデラソンに応じるかどうかを訊いてきたという、フナロ容疑者の供述と通話記録の提出が原因だ。検察や警察はこれを捜査妨害として逮捕令状を請求した。
オリヴェイラ判事は、ジェデル氏が昨年11月に大統領府総務室長官を追われたことを例に、同氏が圧力をかける傾向のある人物だと判断した。ジェデル氏は当時、バイア州の文化保護区にある自身の利権の絡んだビルの建設許可を出すよう、文化相だったマルセロ・カレロ氏に圧力をかけたと暴露され、長官職を追われた。
ジュデル氏は大統領府総務室長官だった頃、エリゼウ・パジーリャ官房長官、モレイラ・フランコ官民合同投資計画局長(現・大統領事務局長)と共に「テメル政権の三本の矢」として知られていた。JBSショックでは「カバンの男」として知られ、6月30日に釈放されたロドリゴ・ロシャ・ロウレス元下議の前のテメル氏の一番の側近だった。
PMDBや連邦政府は、ジェデル氏の逮捕がLJで容疑がかかっているパジーリャ氏やモレイラ氏への捜査加速化に繋がることを恐れている。