消費者金融のプロミス株式会社(現SMBCコンシュマーファイナンス)の創立者で、サンパウロ日伯援護協会の恩人、公益財団法人日本国際協力財団の神内良一理事長が、先月27日うっ血性心不全のため亡くなった。享年90。
1926年8月15日、香川県生まれ。終戦後農林省に入省。24歳頃に退職。その後、戦争孤児救済を目的とした児童福祉施設・聖ヨハネ学園で勤務した。その経験から児童福祉には金が必要として、62年にプロミスの前身となる関西金融会社を設立。業界大手の企業へと成長させた。
その後、87年には旧プロミスの会長職を辞任し、かねてから関心を寄せていた福祉事業に転向する。中国残留婦人や孤児等の支援等を念頭に、89年には神内良一国際福祉事業所を開設。その前年の88年12月、移民80周年を祝して落成された日伯友好病院を視察のため初めてブラジルを訪問した。
以来、当地で暮らす移住者に寄り添い、同協会の発展を大きく支えてきた。産声を上げて間もない日伯友好病院の設備や機器購入や新病棟の建設に援助を行ない、120床から240床へと拡大。援協社会福祉センター建設や傘下の高齢者福祉施設の拡張や改修工事など、資金援助の総額は合計11億円に上る。
そのほか、アマゾニア日伯援護協会の病棟拡張のみならず、コロンビア、パラグアイ、ペルー、コロンビアなどの南米諸国において、高齢となった日本人移住者のための医療福祉施設の建設などを幅広く支援してきた。
神内理事長の訃報を受けて、サンパウロ日伯援護協会(与儀昭雄会長)は7日、記者会見を開催。これまでの多大なる支援と貢献に対し謝意を繰りかえし、哀悼の意を捧げた。詳細は、後日改めて報じる。
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