テメル大統領は9日、ロドリゴ・マイア下院議長らと会い、同大統領の告発審理に関する下院憲政委員会(CCJ)での10日以降の動きなどについて話し合った。大統領は同件の審議の早期終了を求めているが、マイア議長は、議会が休会になる18日までに下院全体での投票を終えられるかはわからないとの見解を示した。10日付現地紙が報じている。
テメル大統領はドイツでのG20を一足早く抜けて帰国し、ジャブルー宮でマイア議長とエウニシオ・オリヴェイラ上院議長らを迎え、10日からのCCJでの対策会議を行った。
同件では、審議を長引かせると、その分だけ、大統領に不利との見方が強い。テメル氏としては早期に下院全体での投票まで終わらせたい意向だが、マイア議長は、それが可能かどうか、「保証はできない」と大統領に伝えている。
マイア議長がこのような返答に止まったのには、審理の行程上の問題がある。
CCJのロドリゴ・パシェコ委員長が決めた行程は以下のようになる。まず、10日にセルジオ・スヴェイテル報告官によるパレセル(見解、意見書)の朗読が行われる。それを受け、テメル氏の弁護側がスヴェイテル氏が話したのと同じ持ち時間で大統領側の弁護を行うことができる。
実際の論議は12日からだが、CCJの正規の委員と補欠各66人(計132人)が、ひとり15分の持ち時間で自身の見解を語る。さらに非委員の下議40人と各政党のリーダーもひとり10分で見解を話すことができる。これがどれだけ少なく見積もっても40時間はかかる。
同様の見解スピーチは過去の大統領罷免審議などでも行われたが、制限時間が守られることは少なく、長時間化が予想される。CCJ側は14日までに委員会審議を終わらせたいとしているが、15、16日の土日を含めても終わるかどうか分からない。
この見解表明後、正委員たちがスヴェイテル氏の意見書についての投票を行う。ここで過半数の34人以上が意見書の内容を認めれば、下院全体の投票に移る。それ以下だと報告官を交代してやり直しとなる。
下院は18日から31日が休会となるため、委員会での意見書承認が17日までに終わらない場合は、下院が休会返上の方針を打ち出さない限り、本会議での投票は8月に持ち越しとなる。
野党側としては、ロドリゴ・ジャノー検察庁長官を招集し、JBS社から50万レアルの現金を渡されて逮捕もされた、「カバンの男」として知られる大統領元側近、ロドリゴ・ロシャ・ロウレス氏についての話を求めるなどして、問題をこじらせ、審議の長期化を諮りたいところだ。