ブラジル日本都道府県連合会(山田康夫会長)主催の『第20回日本祭り』が今月7~9日、サンパウロ・エキスポセンターで開催された。3日間とも晴天に恵まれ、来場者は18万2千人を記録し、昨年の16万8千人を大きく上回った。日本文化の発信拠点、サンパウロ市の一大イベントとして定着した。今年は200以上の企業、団体がブースを出し、来場者を迎えた。ステージでの日本芸能やダンスなど演目のほか、書道や折り紙などのワークショップも行なわれ、盛況の内に幕を閉じた。
8日午前11時から始まった開会式で山田会長は、「初心忘れるべからず」という言葉を引き合いに出し、「20年が経ったが今後もおごること無く、来年の110周年に向けて新たに挑戦し続けたい」と挨拶した。
式典には、細田健一農林水産大臣政務官、佐藤悟大使、中前隆博在聖総領事のほか、太田ケイコ、飯星ワルテル、アントニオ・ゴウラルト連邦下議、西本エリオ州議、野村アウレリオ市議らが出席。鏡開きの後、9日に帰国する中前総領事が乾杯の音頭を取った。
今年のテーマは「20年の歩み」。会場には日本祭り20年の歴史を紹介する写真が展示され、イビラプエラ公園の第1回目からを振り返った。
老若男女が楽しめるよう、会場には高齢者と子供のためのブースも設置された。高齢者向け無料マッサージのボランティアをしていた金剛仙太郎さんは、「歩き回った疲れを癒して欲しい」と高齢者に声をかけていた。
生け花協会は6団体合同の作品展を行なったほか、生け花教室を開催した。来場者に生け花を教えた草月流師範の糸出恵美子さんは「若い人も生け花を楽しんでくれて驚いた」と微笑んだ。
8日の「ミス・ニッケイ」は例年通り大きな盛り上がりを見せ、2千5百人収容可能なメインステージは観客でいっぱいに。出場者は各地の予選大会を勝ち抜いた24人で、観客は応援する出場者が登場するとブブゼラを鳴らして盛り立てた。なかには出場者の顔がプリントされた揃いのTシャツを着て声援を上げる応援団もいて、会場は熱気に包まれた。
今年から来場時の利便性を高めるため、会場駐車場に空車を示すランプを設置された。友人と会場を訪れたアマンダ・ペイヴァさん(23)は「昨年は駐車スペースを見つけるのに1時間もかかったが、今年はすぐに停められた」と評し、「来年もまたぜひ来たい」と笑顔で話した。
□関連コラム□大耳小耳
日本祭り2日目終了時時点で、落し物コーナーには、身分証明書や自動車免許証などが8枚、デビットカード1枚、現金を抜かれたと思しき財布が1つ、セーターが1枚、メガネが1つ、一眼レフカメラ1つが届けられていた。身分証明書など名前が分かるものは場内でアナウンスしており、11人が取りに来た。ただ、担当の男性職員によると「カメラはアナウンスすると持ち主以外の人も取りに来てしまう」とのことで、落とし主を待つという。最終日になっても取りに来なかった忘れ物は県連で保管する。心当たりのある方は問い合わせてみては?
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日本祭りの最終日は「アキバコスプレイサミット」の開催に合わせて、場内をコスプレ姿で会場を歩くひとが多く見られた。漫画などを販売する「アキバスペース」の近くではコスプレをした集団が来場者の写真撮影に応じてポーズをとり、人だかりができる一幕も。特撮モノ「ウルトラマンセブン」に登場するウルトラ警備隊のコスプレをしていた男性は、「日本の特撮が好き。他のコスプレイヤーと作品の話をするのが楽しい」と話した。伝統文化から最近のポップカルチャーまでの、あらゆる日本文化が一堂にそろうのは、日本以外ではやっぱりここだけ?