リオ市港湾部のヴァロンゴ埠頭遺跡が、9日にユネスコによって、世界遺産に登録された。
同遺跡はリオ市港湾部開発工事中に行われた発掘調査で発見され、アフリカからブラジルへの奴隷貿易の時代の名残を今に伝える史跡として保存されている。
人類学者のミルトン・グラン氏によると、ヴァロンゴ埠頭の遺跡は、アフリカ大陸から南米大陸に奴隷が連れてこられたことを証明する唯一の遺跡だ。同遺跡は全長約350メートルで、コエーリョ・エ・カストロ街からサカドゥーラ街にかけて伸びている。
ヴァロンゴ埠頭は1700年代(18世紀)後半に建設が始まり、1811年に完成した。当時、この地域は住む人もなく、リオ市の交通の中心からも離れていたことから、奴隷の到着地点に選ばれた。
奴隷を禁止する法律が制定された1831年ごろ、この埠頭が奴隷の入国地点として使われることは公には終了した。しかし、奴隷の闇取引はその後もしばらく続けられ、奴隷たちの上陸作業は主に夜間に行われた。
ヴァロンゴ埠頭は、1902~06年にリオ市長を務めたペレイラ・パソスによって行われたリオ都市改革の時に、一度埋められた。
16世紀から19世紀の間、アフリカから1千万人の奴隷がアメリカ大陸に運ばれた。その内、4割にあたる400万人の行き先はブラジルだった。ブラジルに送られた内の6割、240万人はリオからブラジルに入った。歴史家は実際に、100万人の奴隷がヴァロンゴ埠頭の地を踏んだとしている。(9日付G1サイトなどより)
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