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サンパウロ州=100トンの大豆のサイロに落ちた!!=あわやの男性2人無事救出

 サンパウロ州内陸部のパラナパネマで8日、約100トンの大豆を貯蔵するサイロに男性2人が落ちたが、約3時間後に無事に救出されるという事件が起きた。
 事故当時、男性2人はサイロのそばで働いていたが、突然、100トン以上の大豆が貯蔵されているサイロに吸い込まれたという。
 気がついたときは頭だけが大豆の上に出ていたという2人は、共に死を覚悟したという。気管支疾患が持病だという男性は特に、閉め切ったサイロの中に長時間閉じ込められ、呼吸困難に陥ったらと考えただけで絶望的な気持ちになったが、一緒に吸い込まれた同僚や消防隊員、救急隊員が気持ちを落ち着かせるよう働きかけ、酸素を運んでくれたと喜ぶ。
 通報を受けて駆けつけた消防隊員らは、約10メートルの高さの大豆に囲まれた2人が、頭だけを出して生きている事にまず驚いたという。この手の事故では、サイロに落ちた後、貯蔵物の中に埋まり、貯蔵物そのものに圧迫されて窒息してしまう事が多いからだ。
 2人の救出には、周辺の市町村の消防士ら8人と救急車(SAMU)1台が派遣された。
 2人が落ちた場所があと5センチずれていたら彼らの上に大量の大豆が雪崩落ち、2人の命を奪っていただろうというのは、消防士として12年のファビアノ・クリヴェリ・デ・アヴィラ氏だ。「この近辺ではサイロの中に落ちる事故が何度も起きているが、サイロに落ちた人が生きていた例は初めてだ」というアヴィラ氏は、2人の生存を確認後、救出作業に入った。
 消防士達は最初、サイロの上部から2人を引き上げようとしたが、2人の周囲を固めている大豆の重みで引き上げられなかったため、縄と板を渡し、2人の体が沈んだり位置が変わったりしないよう工夫した後、サイロの側面に穴を開けて、大豆の一部を取り出す作業にかかった。
 「死にたくない!」と叫び続ける2人に終始声をかけながら作業を進めた消防士達が、1メートル以上の高さの大豆を穴から取り出した時、2人はやっと体を動かせるようになったという。
 大豆の重みから解き放たれた2人は板の上に載せて引き上げられた後、救急車に乗せられ、病院に運ばれたが、2人は共に、「板に載せられて引き上げられ、救急車に移された時の事は一生忘れられないだろう」と語っている。
 消防士達は、サイロの中から大豆を運び出すためのベルトコンベアのスイッチが入り、2人が吸い込まれたと見ている。
(10日付G1サイトより)