ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ベネズエラ=反政府抗議活動者に多数の死=禁止兵器を使用とも

ベネズエラ=反政府抗議活動者に多数の死=禁止兵器を使用とも

 ベネズエラでは7月30日に行われる予定の新憲法制定のための憲政議会の議員選挙を前に、ニコラス・マドゥーロ大統領政権への抗議活動が激化しており、4月1日以降の抗議参加者の死が100人に迫る勢いだと、11日付ブラジル国内紙が報じている。
 国際的な平和活動団体アムネスティ・インターナショナルが10日に発表した資料によると、4月以降、抗議活動に対する政府側の抑圧で93人が死亡、1400人が負傷、政治家だけで431人が逮捕されたという。
 アムネスティ側は、ボリバリアーナ全国警察や同警備隊が抗議活動を抑圧する際、実弾を使ったり、民家に爆弾を投げ込んだりといった行き過ぎた行動をとるのは、個人的なものではなく、非難を封じ込めるための意図的な行為だという。4月に起きた、本来は殺傷性のないはずの催涙ガス弾を胸に受けた20歳の女性が死亡した事件はその一例だ。また、6月には女性抗議者が警官に射殺され、今月10日には、抗議者への爆弾投下で発生した火が未成年の青年の服に引火した写真が世界的に報道された。
 マドゥーロ政権は4月に、一般市民を訓練したミリシアと呼ばれる武装集団を50万人増強、6月にはテロ対策と称して特別警備隊も設けたが、それらの人材に人道的な面の育成がなされているかが疑問視されている。
 また、マドゥーロ大統領は同国検察官から「検察庁の存在を骨抜きにしようとした」として告発されている。
 8日には、抗議活動者たちの指導者的存在で、不当逮捕として国際的に問題となっていたレオポルド・ロペス氏の刑が自宅軟禁に変わったが、刑務所内での出来事を話すのを禁じられている。