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《ブラジル北部》パラー州=農民大量虐殺容疑の警官13人が逮捕=7日の殺人との関連も捜査

 【既報関連】5月24日にブラジル北部パラー州パウ・ダルコ市のサンタルシア農園で起きた「パウ・ダルコの虐殺」で、土地なし農民運動の農民10人を殺害した容疑で、軍警11人と市警2人の合わせて13人の警官が10日と11日に逮捕されたと11日付現地紙サイトが報じた。
 事件の捜査にあたった同州検察が、農民たちは確かに殺害されたとの証拠と共に警官13人への期限付逮捕令状を請求、同州レデンソン郡のアロルド・ダ・フォンセカ判事がそれを許可した。
 逮捕には連邦警察も動員されたが、10日は軍警8人と市警1人がレデンソン市に、軍警2人と市警1人が州都ベレン市に出頭、逮捕され、ベレン都市圏サンタイザベル市の刑務所に送られた。残る軍警1人は11日にレデンソン市に出頭、逮捕された。
 今月7日にはサンタルシア農園占拠運動のリーダー、ロゼニウド・デ・アウメイダ氏が、パウ・ダルコ市北隣のリオ・マリアス市で、教会から出てきたところを射殺される事件も起きており、連警が関連を調べている。
 今回逮捕された軍警たちの弁護士は、彼らは全員捜査に協力しており、逮捕は不必要だとし、裁判所の決定に控訴する意志を見せている。
 一方、検察は、市警2人は報奨付供述を行うことが決まっており、そのおかげで逮捕令状請求にこぎついたとしている。
 逮捕令状請求前日の9日には、連警が4日から始めた、現場再現による検証作業が完了。この作業には、連警の鑑識官や犯罪研究所職員も参加した。事件に関与した警官の銃などの押収物件の鑑識結果は今月末、現場再現に伴う鑑識報告は3カ月以内に出る予定だ。現時点までに、農民9人は胸部を撃たれ、女性1人は至近距離から頭部を撃たれたことや、警官の防弾チョッキに銃痕はないことが判明している。