パラナ州クリチーバ市の連邦地裁で、セルジオ・モロ判事がルーラ元大統領に禁固9年半の判決を出した12日、サンパウロ市のパウリスタ通りではルーラ支持派、反ルーラ派双方が出てデモを行ったと13日付現地紙が報じた。
MASP前のパウリスタ大通りの一画は軍警が閉鎖し、MASP下の広場と共にルーラ支持派の集会場となった。ここでは、労働者党(PT)と左派諸団体が用意した街宣車の前に、数百人の群れが出来た。
土地なし労働者運動(MTST)のリーダーギリェルミ・ボウロス氏は壇上から、「モロ判事は最初から検察側の人間であるかのように振舞ってきた。ルーラが大統領選に出るのが怖いんだ。今日はルーラに有罪判決、昨日はアエシオが労働者の権利を奪う法律に賛成票、全く狂っている」と語り、拍手を受けた。
そこから250メートルほど離れた、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)前では、50人ほどが集まり、ブラジル国旗やルーラが囚人服を着た図柄の風船人形、モロ判事の写真を掲げた。さらに「ルーラを刑務所に」「不逮捕特権廃止」「2018年は議会から害虫を駆除するぞ」と書いたプラカードも掲げるなどして、ルーラへの実刑判決を祝った。
ブラジル自由運動クリチーバ支部のコーディネーター、デニージ・ソウザ氏によると、クリチーバ市では、400人ほどが午後6時頃から8時ごろまで、地裁前で行進し、判決を祝う花火を打ち上げる、禁固9年半を揶揄して、ケーキに9本のろうそくを立てて吹き消す、などの行為を行った。
ラヴァ・ジャット(LJ)作戦関連裁判での元大統領の弁護士、クリスチアーノ・マルチンス氏は、「ルーラ元大統領を即刻収監としなかったことは、モロ判事自身が判決の根拠が弱いと認めている証拠だ。判決文の「慎重」や「禍根を残すことを避ける」の文言は、判決に政治的判断が介入したことの表れ。ブラジル司法の汚点となるこの判決が、控訴審で覆されることを望む」と会見で語った。
またPT党首のグレイシー・ホフマン上議は、「判決は完全に政治的なもの。ルーラの政治生命を奪いたいなら、卑劣な方法でなく、大統領選に出て勝てばいい」との声明を出した。
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