J&Fホールディングス(J&F)が12日、ビーチサンダルを中心としたアパレルメーカー、アヴァイアナスを所有するアルパルガタス社を、イタウ銀行系ホールディング会社、イタウザと、C/Bワレント相手に35億レアルで売却したと13日付現地各紙が報じている。
J&Fは、テメル大統領との汚職を供述した、ジョエズレイ・バチスタ、ウェズレイ・バチスタ兄弟が所有するホールディングス会社だ。
J&Fは食肉大手JBS社も保有している。J&FはJBS社関連の食肉偽造疑惑(カルネ・フラッカ)や、社会経済開発銀行(BNDES)からの不正融資疑惑などで、検察と企業版司法取引(レニエンシア)を行い、今後25年で103億レアルの罰金を支払うことになっていた。売却は罰金支払いのための資金作りの必要性に迫られてのものと、現地紙は見ている。
C/Bとイタウザは6月末から、アルパルガタス社買収交渉を行ってきた。アルパルガタス社はアヴァイアナスの製造・販売の他、日本のスポーツ用品メーカー、ミズノの商品のブラジルでの生産販売の責任を負っている。
買収交渉は7日までには事実上終了していたが、買収側が法的安全性に万全を期すため、正式発表が12日に延びた。C/Bとイタウザは共同で、バチスタ兄弟が持っていたアルパルガタス社株の54・24%を掌握する。
イタウザにとって、アルパルガタス社買収は所有資産の多様化計画の一環として行われた。イタウザ社長のアルフレッド・セツバル氏は昨年末、「数百億とは言わないが、数十億レアル単位の資産を手広く持ちたい」と語っていた。