ホーム | ビジネスニュース | 《ブラジル》議会が連邦予算基本法を承認=本物か、不安が残る景気回復

《ブラジル》議会が連邦予算基本法を承認=本物か、不安が残る景気回復

 【既報関連】上下両院が13日、18年度の連邦予算基本法(LDO)を承認したと、13日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
 LDOは次年度予算の骨格となる優先課題や基礎的財政収支の黒字目標などを決めるもので、国や州、市の各自治体と公社を含む来年度の公的収支は1313億レアルの赤字が見込まれている。
 来年度予算は、今年度予算に16年7月~17年6月の公式インフレ率を上限として調整されるため、約390億レアルしか上乗せできない。
 来年度のLDOは大統領の裁可待ちだが、現時点では、来年度の最低賃金は、現行の937レアルから979レアルに引き上げられる見込みだ。
 また、連邦政府の基礎的財政収支黒字目標は、今年度の790億レアルの赤字から1290億レアルの赤字に悪化する見込みだ。連邦政府の基礎的収支の赤字額は、社会保障制度改革が未承認の状態を前提に算出されている。連邦公社の基礎的収支は35億レアルの赤字、州や市の基礎的収支は12億レアルの黒字が見込まれている。
 連邦政府の経済スタッフは、来年度のLDO作成のための基礎的データとして、国内総生産(GDP)成長率を2・5%に設定した。また、経済基本金利(Selic)は9%、公式インフレ率(IPCA、広範囲消費者物価指数)は4・5%、年末時点の為替は1ドル=3・40レアルと想定している。
 これらのデータが現実のものとなった場合、18年は5年連続で基礎的財政収支が赤字で終わる事になる。赤字増大は、政府が抱える負債増大を反映したものだ。
 なお、14日に発表された中銀の経済活動指数(IBC―Br)によると、5月のGDPは前月比0・51%落ち込み、今年の累積は0・05%減、12カ月間の累積も2・22%減となった。
 今年の同指数は、1月0・51%、2月1・35%、4月0・15%と3度、前月比プラスを記録したが、3月は0・46%、5月は0・51%のマイナスとなった。
 メイレレス財相はつい先日、今年のGDP成長率は0・5%との見解を表明したが、市場は0・34%と予想している。