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《ブラジル》佐藤大使=「断腸の思い」で離任=親日性と潜在性を痛感

来社した佐藤駐伯大使

来社した佐藤駐伯大使

 昨年9月に駐ブラジリア日本国大使館に着任した佐藤悟特命全権大使(64、島根県)は、離任の挨拶のため、7日に本紙を訪れた。これまでの温かい支援と協力へ感謝し、両国の今後益々の発展を願った。
 一身上の都合により、帰国することになった佐藤大使は、「これからという時に、公務を断念するのは〃断腸の思い〃」と悔しさを滲ませる。その一方で「皆様の温かい支援と協力に本当に感謝している。帰国してからも、応援団として頑張りたい」と語った。
 任期中は、14年に日伯両国首脳間で合意された戦略的グローバル・パートナーシップを受けて、『戦略的グローバル・パートナーシップの強化に向けて―我が国の対ブラジル政策―』を取りまとめた。これまで総合的な指針はなかったといい、多分野における個別具体的な協力の有り方が示された。
 任期を振返って強く実感したのが、ブラジルの「親日性」と「潜在性」だった。訪問先のトメアスー移住地では、「苦労した日系人が地域の核として町を支えていた」といい、マリンガやロンドリーナは、「ブラジル人と一緒になって町を築いてきた」と印象を語る。「どこへ行っても親日的で、こんな国は他にはない」と移住者が築いた日本への信頼性を強く感じた。
 一方で、農業生産などでブラジルの持つ潜在的可能性を強く実感し、「インフラや加工技術などをつければ、格段と潜在力が拡大する」と語った。「両国が多方面で互恵関係を築き、国際社会に貢献していけるはず」と締めくくった。
 後任には、駐メキシコ大使の山田彰氏が着任する。佐藤大使は「出張ベースでも来伯しており、非常に優秀な人物。安心してバトンタッチできる」と期待を込めた。山田氏は、8月中旬頃にも着任する予定だ。

 

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 佐藤悟大使が一年にも満たない任期で帰国することになった理由は、妻の病気だという。コラム子が「東京に戻った後の部署はきまっていますか」とお決まりの質問を投げかけると、「とりあえず妻の看病です」とのこと。最後に「大使は交代できますが、夫はそうはいきませんから」とポソリ。けだし名言か。