サッカーのW杯ロシア大会開催まで1年を切った今、ブラジルの選手たちも、各々の立場で代表入りのためのアピールの準備を進めている。
セレソン入りアピールに向けて動いたのはゴールキーパーのジエゴ・アウヴェスで、先日、スペインの名門ヴァレンシアから国内随一の人気のフラメンゴに移籍した。
ジエゴはヴァレンシアの正キーパー時代、40%を超える驚異的なPK阻止率で知られていた。そのため、ブラジルのサッカー・ファンの間では、「ここまでの名手がなぜセレソンに選ばれないんだ」と、落選の不満対象選手の常連となっていた。
事実、2011年からヴァレンシアの正GKをつとめてきていたものの、セレソンでの出場試合数はわずか10試合。近年はヴァレンシア自体も不調で印象が下がっていたため、チッチ監督の目の届きやすいブラジル国内のチームに移って存在をアピールしようと考えての移籍だった。
現在のセレソンはアリソン(ASローマ)が正GKだが、所属チームでは控えと印象が悪く、23歳のエーデルソン(マンチェスター・シティ)が台頭中。そこに、国内での評価が高いウェーヴェルトン(アトレチコ・パラナエンセ)、カシオ(コリンチャンス)、ヴァンデルレイ(サントス)が争っている。フラメンゴ移籍でジエゴがそこにどう絡むかが注目されている。
その一方、ブラジルのセレソンには選ばれそうにない選手たちが、ほかの国の代表選手として出場を目指すケースも珍しくない。実際に、ポルトガル代表のセンターバック、ペペなど、そうやって成功した例も珍しくない。
現在、ブラジルからの帰化する選手が目立ちそうなのが開催国のロシアだ。同国代表では既に、ギリェルメ(ロコモーティヴ・モスクワ)が6月のコンフェデ杯でGKとして参加。セレソンの誘いを断ってロシア代表を選んだマリオ・フェルナンデス(CSKA)のような選手もいる。
ロコモーティヴ・モスクワによると、同チームのフォワードとして活躍するブラジル人選手のアリも、このほどロシア代表になるべく、帰化申請を行ったという。
現在31歳のアリはサッカーの中心とは言いがたい北東部の出身で、21歳までセアラー州のチームでプレーした後、スウェーデン、オランダのリーグを転々とし、2010年からロシア・リーグ入り。スパルタック・モスクワ~クラスノダール~ロコモーティヴ・モスクワで安定した成績を残してきていた。
またイタリアでも、ブラジルで無名だったエーデルが29歳で同国代表として帰化しフォワードして結果を出したことから、ブラジル人の帰化選手を狙いはじめているといわれている。(18日付グローボ・エスポルテより)
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