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リオ州ポッセ病院=「ここはまるで戦場」=銃弾浴びた患者途絶えず

 リオデジャネイロ州バイシャーダ・フルミネンセのノヴァ・イグアス市は、人口では州内4位で、リオデジャネイロ市の北西に位置している。
 同市にあるポッセ病院は02年に国から市に移管された総合病院で、近隣自治体で手を焼く病人や救急患者も受け入れているが、今年受け入れた銃弾を浴びた患者の数は昨年同期より61%増えたと17日付現地紙が報じた。
 今年1月から今月16日までに銃弾を浴びて同病院に運び込まれた患者は393人で、1日平均2人の負傷者が手当てを受けた計算になる。「ここはまるで戦場」と病院関係者が言う。昨年同期の患者数は227人で、昨年の年間患者数は475人だった。
 銃弾を浴びた患者の40%は同市在住者だが、残りはベウフォルド・ロッショなどの近隣自治体から運ばれてくる。
 バイシャーダ・フルミネンセは同州でも暴力行為による被害者が多い地域。一般の病院が手を焼く患者も扱う総合病院であるポッセ病院では、集中治療室も含めて432ある病床が常に埋まっている。同病院の救急外来には週日は25人、週末は30人の救急医が配置されており、当直勤務の24時間で七つの手術を行った医師もいる。
 銃弾を浴びて連れてこられる患者は、18~21歳が最も多いが、最年少者は1歳、最高齢者は90代だという。これらの患者は、強盗や殺人事件、犯罪組織同士または犯罪組織と警察との間の銃撃戦に巻き込まれた例が大半だ。
 12日に緊急手術を受けた59歳の大学教授は、強盗に襲われて逃げる途中、胸部に被弾したが、助かった。だが、同じ日に起きた犯罪組織同士の抗争に巻き込まれた32歳の男性は、6発を浴び、手術の甲斐もなく死亡した。リオ州では今年1月から今月2日までの流れ弾による死者が632人に達している。
 病院の医師達の関心事は患者の命を救えるか否かで、患者に対峙する時は出自や犯罪組織との関係などに関わりなく、救命、治療に全エネルギーを注ぐが、最近は機関銃などの重火器で負傷し、到着前に絶命してしまう患者も多いという。