サンパウロ市は19日も厳しい寒波に覆われ、路上生活者の死が報じられるなどの事態にも発展していると、19日付現地紙サイトが報じている。
サンパウロ市北部の国立気象観測所では19日未明、今年の冬で最も低い7・9度を記録した。これまでの今年の最低気温は今月5日に記録した8・6度だった。市南部のジャバクアラやカペラ・ド・ソコーロ、パレリェイロスでは、最低気温が7度を記録した地区もあった。
また、サンパウロ市の国立気象観測所が午後の時間帯としてはこの4年間で最も低い10・2度を記録した18日午後、市西部ピニェイロスで、凍死と見られる路上生活者の遺体が発見された。
こうした状況のため、市内各地では可能な限りの毛布をかき集め、互いに体を寄せ合って横になったり、焚き火をしたりして寒さをしのぐ路上生活者の姿が見られた。
その一方で、セントロのセーでは19日朝、市の清掃員たちが清掃と称して、まだ寝ていた路上生活者に冷たい水を浴びせたとの苦情が出た。それはメディアでも報道され、視聴者から強い批判の声があがった。
路上生活者たちからは、市局員から「施設に連れて行く」と言われたが、その場所にほとんど収容される余裕がなかったとか、列を作って待っていたが、市が派遣した車は一部しか連れて行ってくれなかったといった不満の声も出ている。これに対し市役所は、路上生活者には18日の夜だけで1千枚の毛布を配布しており、ないがしろにしている訳ではないと弁明している。