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東西南北

 党の方針をめぐり、現在、分裂の危機にあるブラジル社会党(PSB)。元々が左翼政党でありながら、ビジネス界とのつながりも強いという、一見相反する要素を併せ持っていた政党だけに、このような事態を引き起こしやすくはあった。2014年の大統領選の際は、同党から出馬した故エドゥアルド・カンポス氏が、その「左翼でも保守でもない」という立場を生かして「第三の新しい勢力」を主張していたものだ。あの飛行機事故からもうすぐ3年だが、もし強い統率力を持つ同氏が今も生きていたら、PSBは分裂の危機を回避できていたのでは。そう思うと、同党ならびにブラジル政治には改めて痛い喪失だ。
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 サンパウロ市西部モルンビにある二つの自転車専用道が撤去されそうな雲行きになっている。問題の専用道は、ロペス・デ・アゼヴェド大通りとドトール・ファウスト・デ・アルメイダ・プラド・ペンテアード街にあり、100人を超える住人から「使用者もなく不要」とする苦情が寄せられたため、市の会計裁判所が審理に入った。現時点では、撤去を勧める報告官の見解書が出ているという。自転車道はハダジ前市政が最も熱を入れて進めた政策ではあったが。
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 サンパウロ州イターポリスで17日、公共の本を大量に盗んだとして18歳の青年が逮捕された。この青年は数年前から、市の図書館と、計六つの学校の図書の窃盗を繰り返しており、盗んだ本は379冊に及んでいたという。青年は図書館の会員でもあったというが、借りればよいものを、何故わざわざ盗んでいたのか気になるところだ。