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サンパウロ市教育局=公立校でアンケートを実施=参加型授業を望む声多く=IT人気も高く、新課程に反映か

国の基礎となる教育も、時代に合わせて改定されていく(参考画像 - Elza Fiuza/Agência Brasil)

国の基礎となる教育も、時代に合わせて改定されていく(参考画像 – Elza Fiuza/Agência Brasil)

 ラリッサ・デ・オリヴェイラさん(14)は週に1回、情報技術(IT)の授業を受けている。ITは彼女が一番楽しみにしている授業の一つで、「先生は、インターネットの使い方とか、普段の授業と違ったことを教えてくれる」と語る。
 21日付現地紙によれば、サンパウロ市立の初等教育校(小中学校)に在籍している生徒の10人につき6人は、インターネットを使い、様々な文化やスポーツに触れる機会や、ディスカッションの機会を持っている。
 ただ、それらの活動に比べると、読書や補習に興味を示す子供は多くない。同市教育局が、市立校の全生徒の1割に当たる4万3600人に対して行ったアンケート調査では、読書の時間が好きと答えた子供は29%、補習は20%だった。
 この調査は、来年度から施行される初等教育課程改定の一環として行われた。最初の改定案は既に立案済みで、今後は教育問題の識者が検討に入る。サンパウロ市当局は、今回の調査結果は新カリキュラムや補助教材の立案に影響を及ぼすとしている。
 アレシャンドレ・シュネイデル・サンパウロ市教育局長は、「現場の声を聞き、どのような子供を育てていくべきかを理解したうえで、新教育課程は立案される」と語った。
 アンケートは、どんな方法だと良く理解できるか、どの科目が好きか、学校がどうなれば良いと思うかなどの質問も含んでいる。
 回答は、子供たちは、おおむね学校が好きで、座学よりも、主体的に参加できる授業を好んでいることを示した。
 サンパウロ市教育局ディレクターのワギネル・パランシェ氏は「子供たちは責任を任され、意見を聞いてもらい、議論に加わる事を望んでいる。そうした姿勢は知識を積み重ねるのに有益だ」と語り、新しい教材は、従来のカリキュラムにも含まれていたポ語、算数、理科、社会などの内容と、これまでは一般的ではなかった内容の双方に関連しているとした。
 同氏によれば、42%の子供が「サイエンスフェア(科学に関連した見本市)が好き」と答えた事は、より実践的なテーマを取り上げたプロジェクト導入への取り組みを後押しするという。
 また、ITへの人気は高く、65%の子供が、「インターネットを使った方がよく分かる」と答え、59%が「インターネットやパソコンに触れることの出来るラボは大切」と答えた。サンパウロ市立の初等教育校は全て、情報処理について学べるラボを備えており、授業でも使っている。来年に向けて、市はIT教育の充実も検討している。