テメル大統領とその一行が20日午後、アルゼンチンのメンドーサで21日に開かれる南米南部共同市場(メルコスル)首脳会議に出席するためブラジルを旅立った。
20、21日付のブラジル国内紙や同サイトによると、テメル大統領はアルゼンチン到着後、ブラジル国民は増税の必要性を理解してくれるはずとの見解を表明すると共に、上半期の議長国だったアルゼンチンが進めてくれた働きを継続させると語った。
会議の開会式は20日に開かれ、ブラジルからはテメル大統領、エンリケ・メイレレス財相、アロイジオ・ヌネス外相、マルコス・ペレイラ商工開発相、アントニオ・インバサイ大統領府総務室長らが出席した。
21日の会議では、ベネズエラでの制憲議会設置や抗議行動弾圧、南米の政治、経済、人権問題などが話し合われた。長年の懸案である欧州連合(EU)との貿易自由化交渉も議題の一つだ。同会議ではブラジルが次の議長国を務める事も確認された。会議後は昼食会や2国間協議なども予定されている。ブラジルは関税問題で亜国との合意書を発表する見込みだ。
昨年12月に人権擁護などの諸項目不履行を理由に参加資格を抹消されたベネズエラについては、30日に予定されている制憲議会の選挙中止を要請する意向だ。
制憲議会開設にはベネズエラの国内外からも強い批判や反発が出ており、18日にはトランプ米大統領が選挙を中止しなければ経済制裁も辞さないと宣言。20日に行われたベネズエラ国内のゼネストでは、政府の圧力で参加できなかった企業や労働者も相当数出た。また、警察との衝突で、死者2人(一部報道では3人)が出、4月1日以降の抗議行動による死者が99人(20日の死者が3人なら100人)に達した。負傷者も9人出、261人(一部報道では360人以上)が逮捕された。
ベネズエラ問題に関しては、米州機構事務局長も19日に、「マドゥーロ大統領や閣僚は、同政権下で多数の死者が出ている事の責任を問われるべき」と発言。また、ベネズエ国連代表部のメサイアス・メディナ氏は、人権を侵害する政府のためには働けないとして20日に辞任し、人権擁護のために戦う意向を表明した。