ブラジル化学工業会(Abiquim)によると、今年上半期、ブラジルは172億ドル分の化学製品を輸入した。
同期間中のブラジルからの化学製品輸出高は66億ドルで、化学製品の輸出入に限った収支バランスはブラジル側から見て106億ドルの赤字となった。
輸入額の172億ドルは、昨年の上半期と比べて6・4%上昇した。輸入品全体の質量も、昨年同期比21・2%増の2080万トンで、新記録を更新した。
輸入拡大は、化学肥料の原材料である中間品が牽引した。特に6月は、33億ドル分もの化学製品がブラジルに輸入された。これは前月比で3・7%増、前年同月比では5・4%増だった。
今年上半期のブラジルからの化学製品の輸出高は、前年比12・1%増の66億ドルだった。また、輸出量は820万トンで、これも前年比1・9%増だった。今年6月の輸出高は11億ドルで、前年同月比で5%増だったが、前月比では8・7%減った。
今年6月末時点での過去12カ月間の化学製品に限った累積収支は、233億ドルの赤字で、2016年の赤字額230億ドルとほぼ並んだ。
Abiquimによると、ブラジルは国際的にみてエネルギーや原料のコストが高く、化学工業は国際競争力を欠いている。そのため、化学製品も国内生産より輸出に偏る傾向があるという。
フェルナンド・フィゲイレド会長は、「世界中が自国産業の振興に動いている中、ブラジルは高金利で、高い税負担を強いており、産業振興とは逆の政策を行っている」と批判した。(23日付エスタード紙より)