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《ブラジル》検察庁=大統領への残りの告発1本化か=ジャノー退任に間に合わせ=3大政党の捜査も進行中

テメル大統領(Marcos Corrêa/PR)

テメル大統領(Marcos Corrêa/PR)

 連邦検察庁は、テメル大統領に対して進めていた二つの容疑での捜査結果を一つにまとめ、ロドリゴ・ジャノー長官の任期の切れる9月半ばまでに告発する意向だと、25日付現地紙が報じている。
 テメル大統領への最初の告発は、JBS社からの収賄疑惑に関するもので、この告発を受けつけるか否かの投票は8月2日に下院で行われる。「受けつける」とする報告官の意見書は憲政委員会で却下されており、8月2日の投票で告発が受けいれられる可能性は低いと見られている。
 検察庁はテメル氏に関し、別の容疑2件での捜査も進めている。ひとつは、民主運動党(PMDB)所属の下議たちがペトロブラスや連邦貯蓄銀行絡みで行っていた贈収賄工作への関与。もうひとつは、JBS社主のジョエズレイ・バチスタ氏との会話の録音でも出てきた、前下院議長で現在逮捕中のエドゥアルド・クーニャ被告やPMDBのロビイストのルシオ・フナロ被告に口止め料を払わせ、報奨付供述に応じないようにさせようとしたとされる「捜査妨害」の容疑だ。
 だが、検察庁は、当初別々に行う意向だった告発を、一本化して行う方針に切り替えることを考えはじめた。それは、9月15日で任期が切れるロドリゴ・ジャノー長官の在任中に告発までもっていくためだ。
 エスタード紙によると、ジャノー長官は退任前に、ラヴァ・ジャットの中心となる、ペトロブラスを巡る汚職絡みで、PMDB、労働者党(PT)、進歩党(PP)の主要3党に関する告発を行う意向だという。
 各政党に対する捜査の件数は、PPが30件、PTが12件、PMDBは上院で9件、下院で15件。この中で、最も捜査が進んでいるのは、ペトロブラス社供給部を巡るPPの件だという。
 テメル氏が告発された場合、下院全体の3分の2にあたる342人が受けいれに賛成し、最高裁もそれを受けいれれば、テメル氏はその時点で被告となり、180日間の休職となる。それが起こるか否かは、前述した2日の投票、並びに次の告発の内容いかんとなる。
 告発回数が減れば、テメル氏はより有利となる。ロドリゴ・マイア下院議長は「告発が重なっていけば、現在味方している勢力でも止めるのが難しくなる」との見方をテメル氏に示していた。
 ただ、その後、連立与党の下議の中でテメル氏を守ろうとする流れが強まっており、その意思が熱い内は免れそうな雰囲気も生まれて来ている。