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サンパウロ市=ピニェイロス刑務所で暴動=情報が伝わらず苛立つ家族

黒煙が上がるピニェイロス刑務所(Rovena Rosa/Agência Brasil)

黒煙が上がるピニェイロス刑務所(Rovena Rosa/Agência Brasil)

 サンパウロ市西部のピニェイロス刑務所で、24日昼頃に暴動が起きた。暴動は同日の内に収束したが、24、25の両日は、情報が伝わって来ない事などを不満とする家族が、マルジナル・ピニェイロスを封鎖する騒ぎも起きたと24、25日付現地紙サイトが報じた。
 暴動は、未決囚を収容する予備拘留センター第1棟(CDP1)に新しい容疑者13人が連れてこられた後に始まった。CDP1の収容人数は521人だが、実際は1383人もおり、165・5%増の超過密状態だ。
 新たな容疑者達が連れてこられたのは昼頃で、収監者への薬や食料を届けに来ていた家族達は、急に慌しくなり、消火器を手に走る職員の姿も見た。CDP1では、収監者達がマットレスに火をつけ、第1棟と第4棟の間に穴も開けた。CDP周辺では暴動との知らせや立ち上る黒煙で緊張が高まり、マルジナル・ピニェイロスも車線の一部が封鎖された。
 暴動と火災は午後2時半頃収まり、消防士達も刑務所を後にした。午後3時には、マルジナル・チエテも開放された。
 だが、CDP訪問中に外に出された家族や訪問しようとして来た家族に対する、暴動が起きた理由や負傷者名などの説明はなかった。不安にかられた家族は24日夕方、CSPの管理責任者に会合を開くよう申し入れたが、要請は無視された。
 詳細な情報を求める家族達は、同日夕方と夜、翌朝の最低3回、マルジナルを封鎖して抗議行動を行ったが、警官が「もう怪我人はいない」と言う以外は、具体的な解決策は採られていない。
 サンパウロ大都市圏にはCDPが19あるが、収容人数1万4427人に対し、2万7400人が収容され、1万2973人分の過剰収容となっている。
 なお、年頭に他州で起きた刑務所の暴動で多数の死者が出た事を受け、サンパウロサンパウロ州も1月に、州都第一コマンド(PCC)とリオ州が本拠のコマンド・ヴェルメーリョのメンバーを分けるなどの措置をとった。24日にピニェイロス刑務所に連れて来られた容疑者らは、収監者らの暴動勃発後、他のCDPに回された。