【既報関連】先月27日にうっ血性心不全のため亡くなった南米日系社会の恩人・神内良一さんと、生前親しくしていた下本八郎元サンパウロ州議。今年4月17日に訪日した際、北海道の神内ファームで療養していた神内さんと最期に会話した時の様子を、次のように本紙に語った。
「体調が優れず、今回が最期かもしれない」との思いで訪日した下本さん。神内さんは大変喜んだ様子で出迎えてくれ、当初20分程度だった面会予定時間は、話が弾んで一時間以上になったという。
安田潤二補佐官によれば、神内さんは「終生の友」である下本さんのために、その場で手紙をしたため朗読したという。「百歳まで生きることができれば、ブラジルに参ります。その日を楽しみに頑張ります」と達筆に綴られており、最期までブラジル日系社会を気にかけていた様子が伺える。
神内さんの訃報を受け、下本さんは「『またお会いしましょう』といっていた矢先のことで愕然としている。本当に残念でたまらない。日系コロニアへの惜しみない援助に、ただ感謝の言葉しかない」と安田補佐官を通じてコメントした。
「普段は面会される際には、わざわざ手紙をしたためるようなことはなかった。後から考えれば、何かを残しておきたいという神内さんの意思があったのかもしれない。その思いを日系社会の皆さんに届けなければ」と本紙に伝えた。
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