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サ紙=『ブラジルの大地に生きる』刊行=全伯120人に取材した大作

同書の表紙

同書の表紙

 昨年の創立70周年記念事業の一環としてサンパウロ新聞社は先日、『ブラジルの大地に生きる―日本人・日系人の足跡―』を刊行した。
 同書は2015年の日伯修好120周年に併せて、松田正生記者を中心に全伯各地に在住する120人の日本人及び日系人を対象に取材したもの。移民人生の軌跡や、本人をとりまくその土地の日系社会の歴史を取りまとめた一大労作だ。
 戦前戦後の家族移民、呼び寄せ移民や単身移民、花嫁移民、技術移民、企業移住者やその子弟などの様々な人生が、移住後の困難や家族の不幸、政治経済の荒波に揉まれた現実を通して描かれる。成功者だけでなく、挫折や再起する姿も記事には克明に刻まれている。
 まえがきで「一人一人がブラジルで自身または家族の生活を築いている。その歩みを少しでも記録に残せたら」との思いで取材を進めたと松田記者は明かす。各地域の発展に貢献してきたその功績は、「歴史に確かに刻まれている」と振り返り、協力者に謝意を述べている。同書は一冊80レアルで販売中。問合せは同紙(11・3347・2000)まで。